審査を終えて−
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平井 實・審査委員長 (写真家・日本写真協会)
楽しさの受け止め方は人によってそれぞれ違います。家族と一緒に過ごしている時、友人たちとのおしゃべり、あるいはスポーツに熱中している時。仕事をしている時が一番楽しいと思う人もいるかもしれません。中には一人で静かに過ごしているのが私の楽しみという人も当然います。
本コンテストには全国から170点の応募がありました。下は18歳から上は85歳まで幅広い年齢層から作品が寄せられました。
主催社の関係上、福祉関係施設における写真が多く集まるのは予想されましたが、施設以外の身近での明るく楽しいスナップ写真もたくさん寄せられました。技術的には素晴らしい作品が何点もありましたが、楽しさを優先的に選びました。
今回のようなスナップ写真を撮る上で「やっかいな」問題が起きています。個人情報保護法という法律です。簡単に言うと、個人のプライバシーや肖像権をみだりに犯してはならないということです。幼児の写真を勝手にネット上に載せたり、売買をしたりする人まで現れる現状では仕方がないのかもしれません。とは言え、思い出に残る卒業式や運動会の写真まで規制する幼稚園や学校が出てくるのは、ちょっと行きすぎかなと思うのは私だけでしょうか?
断りなしにカメラを向けられたら誰でもあまり気分の良いものではありません。自分が撮られる立場にたってひと言声をかけてから撮るとか、相手の人とのコミュニケーションを持ちながらスナップ写真を楽しんで下さい。撮影者の撮影態度次第でスナップ写真はそんなに難しくはありません。
さて、最優秀賞を受賞した笹川由美子さんの作品は、2人のお年寄り(利用者)がジェンガ(スワヒリ語で積み木)遊びをしています。いまにも倒れそうなジェンガに2人の手が…。部屋いっぱいに明るい笑顔と笑い声が聞こえてきそうです。楽しいひとときをやさしく描写しています。
優秀賞は計6点選びました。中村節子さんの作品は、おじいちゃんとお孫さんのスナップ。庭で新聞を読むのがおじいちゃんの日課なのでしょう。いつの間にか隣で新聞を眺めるお孫さんの姿がほほ笑ましいですね。こんな楽しい瞬間をおばあちゃんがナイスショット。
宮澤千春さんの家族団らんの作品は、部屋に敷かれた寝布団の上で、家族みんなの笑顔があふれ、空間いっぱいに幸せが詰まっています。
土屋敏彦さんの作品からは、おじいちゃんとお孫さんの楽しい会話がいまにも聞こえてきそうです。一緒に何か作っているのでしょう。ほのぼのとして温かな空気が感じられます。
平井龍太さんの作品は、河川敷での芝滑り。4人の子どもたちが一気に斜面を滑り降りる。流し撮りが流動感を与え、子どもたちの楽しさが伝わってきます。 小林哲さんは、内緒話をしている兄弟の作品。「何を話しているの?」「内緒、内緒。パパにも内緒」。長めのレンズで兄と弟の表情を絶妙に切り撮っています。技術的にも素晴らしい作品です。
救仁郷恵美子さんの作品は、三輪車に乗った女の子が「おじちゃんもお散歩?」と仲良くハイタッチ。2人にとって楽しい夏のひとときでした。 |