若年性認知症の支援事業 平方俊雄・東京栄和会理事長

2014年0120 福祉新聞編集部
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社会福祉法人東京栄和会 理事長平方 俊雄

 若年性認知症の支援事業を法人独自の事業として展開し、約2年が経過しようとしている。きっかけは、2009年度から3年にわたり東京都による若年性認知症支援モデル補助事業の実施事業者に選定されたことによる。

 

 認知症とのかかわりは四十数年前にさかのぼる。そのころは、痴呆老人とか恍惚の人と呼ばれていた。

 

 高齢になるにつれ判断力が欠けたり、記憶が薄れたりするのは理解できたが、問題行動や迷惑行動、今で言うBPSDなるものが分からず、当時の特別養護老人ホームでは対応が難しく、悩みながらもやむを得ず精神科の病院に入院させていた。入居者の子どもさんたちから、若いころはしっかり者だったと聞くにつれ、加齢と共に出現する特有の病気があると推測し、当時より認知症対策には関心が強かったと記憶している。

 

 国が制度化する3年前の1987年には、江戸川区の理解と支援の下にいち早く痴呆症デイホーム(現在の認知症対応型通所介護)定員8名と痴呆性専用ショート4床(現在は一般ショートステイで対応)を実施し、50代・60代前半の認知症の方と遭遇する機会も多々あった。

 

 現在は若年性認知症専門通所事業「フリーサロン あしたば」と称し、若年性認知症に特化した支援を実施している。

 

 認知症デイサービスと別個に実施している訳は、年齢差があり過ぎると言うことに尽きる。親子以上の年齢差があり、従って生活リズムが合わず、高齢者集団に入ると落ち着かず不穏な行動を生じる人もいる。やはり違和感があるのだと思っている。

 

 今後、認知症対策はかなり推進されると思うが、若年性なるが故の特異な課題もある。例えば、就労が続けられなくなることに伴う収入面の課題、有り余る体力の問題、子どもが若いがために親の病気を理解出来ない家庭的な問題、そして地域社会の無理解と人間としての生き方に対する葛藤等である。

 

 社会福祉法人として、地域福祉推進の立場より家族支援を含めて対応したいと思っている。特に若年性認知症に関係のある方々が何らかの組織の下に社会に訴えている姿に接するたびに、社会資源である社会福祉法人として地域の核となり支援出来ればと願っている。

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