多元競争時代の福祉 鈴木五郎 (千葉県流山市)

2014年0203 福祉新聞編集部
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 福祉の現場はすっかり多元競争時代になった。かつて老人介護といえば社会福祉法人の福祉施設が独占していた時代が長かったが、今や医療法人や株式会社、NPOなど事業者が多元化し熾烈な競争が展開されている。特に在宅介護の分野が激しい競争である。

 

 先ごろある自治体で「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」+介護サービス施設の新規事業者のプレゼンを聞く機会があった。その中に株式会社と並んで有限会社が参加しており、その法人組織に監査役もいないのには驚いた。介護保険という公金が支出される事業者に監査役がいなくても事業が認められるという制度の現状にびっくり。競争時代のリスクについて考えさせられた。

 

 次は地域福祉の多元化である。昔は地域福祉といえば市町村社会福祉協議会の独占状態であったが、今やその最先端を担っているのはNPO法人であり、活動はフードサービスや子育て支援など実に多彩である。特に女性のリーダーシップは見事なものである。加えて最近は市町村行政が自ら「協働推進課」などを設置して高齢者の見守り活動などで直接市民活動の支援に乗り出しており、地域福祉の推進役も多元化し、社協の環境は厳しい。

 

 さらに我が地域の老人クラブ活動の実態をみていると、高齢者の社会参加分野の活動が実に多彩になってきていることを実感する。

 

 高齢者のスポーツはゴルフやウオーキング、スポーツジムが花盛り。最近はコンビニタイプのミニジムが街角に現れ始めた。生涯教育の分野もプログラムが多彩で、行政はもとより各大学や民間事業者のメニューが豊富にそろっている。趣味活動も多種多様である。老人クラブはこれら多彩な選択肢の中の一つの存在ということになり、生き残りが厳しくなっている。(元国際医療福祉大学教授)

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