「介護職や保育士の賃上げを」 人手不足問題で厚労省研究会が報告

2015年0910 福祉新聞編集部
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厚生労働省
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 厚生労働省の雇用政策研究会(座長=樋口美雄・慶應義塾大教授)は8月27日、介護、保育、看護などの人手不足分野の問題などに焦点を当てた報告書(中間取りまとめ)を公表した。介護職員や保育士の賃金改善などを要請している。

 

 研究会は「人口減少下での安定成長を目指して」をテーマに、雇用政策の課題の中から①人的資本の質の向上②全員参加社会にふさわしい働き方の構築③人手不足産業④地域の雇用機会の確保−に焦点を当て検討を重ねてきた。

 

 このうち人手不足分野では介護、保育、看護、建設、運輸の5産業に言及。介護については「親の介護をしている中高年層の介護離職にもつながることから、介護人材確保は喫緊の課題だ」と指摘し、将来の見通しをもって働けるように介護業界全体でキャリアパスを整備すること、介護処遇改善加算を賃金に適切に反映していくことを求めた。

 

 保育については「2017年度に向け新たに6万9000人の保育士が必要になるが、有資格者の半数が保育士としての就職を希望していない」と指摘。保育士の負担を軽減する取り組みや、勤続・経験年数に応じた賃金改善を進めるよう要請した。

 

 看護については「約71万人と推計される潜在看護職員の復職支援が重要」だと指摘。医療機関の労働環境を改善するとともに、福祉・介護分野の看護職員の確保対策を検討するよう求めた。

 

 報告書はこのほか「人口減少下での安定成長を実現するためには全員参加社会の実現と、人的資本のポテンシャルを最大発揮する雇用政策が求められる」と指摘。65歳以上の高齢者雇用を推進するために雇用保険のあり方などを検討すること、非正規職員のキャリアアップ支援やニートなどの若者の職業的自立支援を積極的に進めることを要請した。

 

 また、生活困窮者自立支援制度における就労支援の取り組みを積極的に進めることや、フリーターの正職員化を支援すること、厚生年金保険・健康保険の適用を拡大することなども求めた。

 

 厚労省は今後、報告書を踏まえ、雇用政策を推進する。

 

 

 

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