生活困窮者自立支援制度 任意事業の未実施自治体45%も

2015年0924 福祉新聞編集部
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厚労省

 厚生労働省は14日、今年4月から始まった生活困窮者自立支援制度について、都道府県など自治体の担当者を集めた会議を開き、制度の実施状況を明らかにした。鈴木俊彦・社会・援護局長は「7月までの相談件数は全国で8万5000件に上り、任意事業を実施する自治体は増えている。順調な滑り出しだが、一方で任意事業を一つも行っていない自治体が全体の45%に上る。今後は就労支援に重点的に力を入れてほしい」などと話した。

 

 厚労省は新規の相談件数は人口10万人当たり月に20件を目安としていたが、7月までの実績値はその8割程度。支援プランの作成は目安の半分にも満たない。

 

 同制度の任意事業のうち「子どもの学習支援」は今年度300自治体が実施しているが、2016年度は388自治体が実施予定とするなど、増加が見込まれる(表参照)。必須事業の住居確保給付金(離職者への期限付き家賃補助)の支給決定数は4月以降500~700件程度にとどまり、制度施行前の類似事業よりも減少。厚労省はニーズはあるのに対応できていないとみて周知を図る。

 

 相談者は男性が6割を占める。無職で求職中の人が全体の半数。「40~50代」「未婚」「一人暮らし」がそれぞれ4割を占めることも分かった。

 

 同制度は生活保護に至る前の人を支援するもの。福祉事務所を持つ901自治体が実施主体で、相談窓口を設けることが必須だ。

 

 窓口に配置された支援員は約4200人。福祉事務所に来訪したものの生活保護に至らない人は年間約40万人で、その人たちが制度の対象になり得る。

 

 厚労省は同制度の負担金・補助金として16年度は今年度比25億円増の425億円を概算要求し、生活困窮者の就労の促進、貧困家庭の子どもの高校進学や高校中退防止などに力を入れる方針だ。

 

 

 

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