笑いを通してつながろう 横浜の障害者らが演芸会

2015年1007 福祉新聞編集部
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シャロームの家の「トリオ・ザ・インテリ」。ロールモデルとしてのピアスタッフを漫才のネタにした

 NPO法人さざなみ会の就労継続支援B型事業所「シャロームの家」(横浜市磯子区)は今年度、精神障害のある利用者らが披露する演芸会「ISOTT(イソット)」を始めた。自分たちが楽しむだけでなく、地域に埋もれている障害者と「つながる」ことも意識して「笑い」を発信している。

 

 9月11日には、同区生活支援センター(精神障害者の相談窓口と居場所)との共催で第3回を開いた。シャロームの家の高学歴3人組「トリオ・ザ・インテリ」、声の大きな女性コンビ「ボイスデカ」が漫才を披露すると、約50人が詰めかけた同センターは爆笑の渦に包まれた。

 

 ISOTTは「磯子区生活支援センター」「シャロームの家」「面白く」「楽しく」「つながる」の頭文字をとった。大事なのは「つながる」だ。

 

 「うちからの出演は最小限にした。外の人にどんどん出てほしい。終了後のティータイムで交流することが大切だ」。シャロームの家の小堀真吾所長(43)はこう話す。

 

 当日は他事業所のサービス利用者もダンス、一人芝居などを披露。人前に出るのが苦手だった人が飛び入りで歌うという場面もあった。

 

 緻密に計算されたプログラムよりも、気軽に入り込める空間をつくろう−。楽しさを肌で感じて元気になること、それを伝播していくことが「ISOTT」の狙いという。

 

 横浜市の人口は今年9月1日現在、約372万人。15~39歳人口のうち、ひきこもり状態は約8000人、無業状態は約5万7000人いると市は3年前に推計した。社会とのかかわりが乏しい人はたくさんいる。

 

 そんな「まだ見ぬ人たち」の心にも届くように、と企画を練るシャロームの家は、職員9人のうち、もともと利用者だった「ピアスタッフ」が6人。それぞれの弱い点を補いあう毎日だ。ISOTTでもそうした姿を見せながら、「こんな生き方もありますよ」と発信している。

 

ISOTTでは演芸、ティータイムの後に全員で歌う

ISOTTでは演芸、ティータイムの後に全員で歌う

 

 

 

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