福祉切り下げに危機感 全社協が国会議員らと懇談会

2015年1102 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
国会議員も含め300人が集まった

 全国社会福祉協議会は10月22日、全社協灘尾ホールで全国の福祉関係者に呼び掛け、福祉懇談会を開催した。塩崎恭久・厚生労働大臣をはじめとする国会議員のほか、全国団体の幹部など300人以上が参加。懇談会で斎藤会長は近年の福祉切り下げへの不満をあらわにし、財務省を批判。「福祉の利用者のため、現場が声を出していこう」と呼び掛けた。

 

福祉切り下げに危機感

 

 「日本の福祉を支える共通認識を持ち、今後の日本の福祉を誤りなき方向に持っていきたい」−。開会あいさつで、斎藤十朗・全社協会長は、懇談会の開催理由を説明した。懇談会には、厚労省の政務三役や社会福祉推進議員連盟所属などの国会議員、都道府県社協、専門職など福祉関係の31団体が集まった。

 

 こうした福祉関係者が一堂に会する催しは、斎藤会長が就任して初めて。全社協としても少なくとも10年以上開催していない。

 

 それだけに、斎藤会長が福祉切り下げの危機感を強く持っている現れだ。斎藤会長は「最近は改革の名のもと、福祉の本質に照らしていかがなものかという制度改正が続いている」と指摘。「また社会福祉法人への課税というむちゃな話が起きるのではないか」と述べ、年末に向けた税制議論をけん制した。

 

 非難の矛先は財務省にも向いた。財務省は10月上旬、介護や障害福祉など福祉政策を列挙し、法案の提出時期まで示してきた。こうした動きに斎藤会長は「もはや厚労省の政策立案の機能はいらないのではないか」と述べ、財務省批判を展開した。

 

 その上で、斎藤会長は福祉制度を利用する人たちへの配慮を強く求め「現場にいる我々が声を出し、お願いし、注文していかねばならない」と呼び掛けた。

 

 これに対して、塩崎大臣は「スクラムを組む仲間として、しっかりと盛り上げていきたい。社会福祉とは何かをもう1回考えようというのが斎藤会長のメッセージだと受け取った」と応じた。

 

 また、社福法人への課税議論については、「誤解されている部分もある」と主張。また、宮沢洋一・自民党税調会長が元厚労部会長であることから「よもやそういうことは考えていないのではないか」との見通しを示した。

 

 このほか、議連会長の衛藤晟一・総理大臣補佐官が「社会保障の充実に向け、我々は踏ん張りどき。全国のリーダーとともに議員も一緒に努力したい」とあいさつ。田村憲久・前厚労大臣が乾杯の音頭をとった。

 

あいさつする斎藤会長

あいさつする斎藤会長

 

各団体がアピール

 

 会場では、各団体による要望事項が配布されたほか、4団体の代表が登壇して決意を表明した。

 

 桐畑弘嗣・全社協地域福祉推進委員会委員長は、全国の社協で社会資源を創出する協議体づくりにも積極的に取り組むとアピール。磯彰格・全社協社会福祉施設協議会連絡会委員長は「地域から期待される実践を展開していく」と話し、今後は公益性を持つ社福法人として社会に主張していく姿勢を示した。

 

 また、堀江正俊・全国民生委員児童委員連合会長は地方自治体に対し、困窮者支援の分野で予算面も含め積極的に働きかけるよう要請。鎌倉克英・日本社会福祉士会長は、近年ソーシャルワーカーの活躍の場が広がっていると紹介し、基礎資格として社会福祉士を位置付けるよう求めた。

 

 全社協では今後もこうした懇談会を開催するという。

 

 ◇参加した国会議員(敬称略)▽塩崎恭久▽竹内譲▽とかしきなおみ▽三ッ林裕巳▽太田房江▽伊吹文明▽衛藤晟一▽金子恭之▽後藤茂之▽柴山昌彦▽白須賀貴樹▽髙鳥修一▽田村憲久▽豊田真由子▽丹羽雄哉▽野田聖子▽野田毅▽橋本岳▽福岡資麿▽藤井基之▽山口泰明

 

 

 

関連書籍

 

 

 

福祉政治―日本の生活保障とデモクラシー (有斐閣Insight)
宮本 太郎
有斐閣
売り上げランキング: 176,040
    • このエントリーをはてなブックマークに追加