腕が抜けやすい子の予防方法は

2015年1210 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Q

 

肘内障(ちゅうないしょう)

 

 しばしば腕が抜けてしまう子どもがいます。他の誰かとの接触がなくても、手を振った時の自分の力や、動かし方、手の突き方などで、関節が抜けてしまうようです。起こるたびに痛みを訴えます。予防方法はありませんか?

 

A

 

 肘内障は子どもの手を強く引っ張った際などに起こり、腕を動かすことができなくなるもので、一般に「脱臼した」「腕が抜けた」と言われる状態です。子どもが突然激しく泣き出し、腕をだらりとして動かさない時は肘内障を疑いましょう。

 

 肘内障の経験がある子どもに対しては、手を強く引かないようにするなど、全職員の心掛けが大切です。子ども同士が手をつないで歩く時には、相手の子どもが転んだ拍子に手を強く引っ張るおそれがありますので、肘内障を起こしやすい方の手でつながせないなどの配慮をしましょう。また、手をつないだまま走らないように指導することも重要です。

 

 肘関節は関節より上にある「上腕骨」と、関節より末端にある「橈骨」「尺骨」という三つの骨で構成されています。

 

 橈骨の一番上の部分にある骨頭は、輪っかのような形状の靭帯で尺骨につながっていますが、この靭帯は外部から大きな力が加わると緩んで抜けてしまうことがあります。これが肘内障の起きる仕組みです。

 

 肘関節の靭帯の未熟さが原因で起こるので、1~4歳ぐらいの子どもに多くみられます。小学校に入る頃には、靭帯が発達し強くなるため肘内障は起こりにくくなります。また、肘内障は一度起きると何回も繰り返す場合があり、癖になりやすいので注意しましょう。

 

 肘内障を起こした時は「徒手整復」という治療を施します。橈骨の骨頭を靭帯に戻す方法です。子どもの肘と手を動かして、関節を本来の位置に戻すやり方で、正しい状態に戻るとすぐに普段の動きができるようになります。整復に慣れた小児科医や整形外科医によれば、短時間で簡単に治療できますので、あらかじめ近隣の医療機関を調べておきましょう。

 

【医学博士・田中哲郎】

 

 

◆読者からの質問を募集します。メールでお寄せ下さい。

 

 

 

関連書籍

 

やるべきことがすぐわかる今日から役立つ保育園の保健のしごと
赤ちゃんとママ社
売り上げランキング: 19,408

 

 

    • このエントリーをはてなブックマークに追加