新春対談「1億総活躍社会と福祉」② 深刻な保育士不足に対応

2016年0105 福祉新聞編集部
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衛藤氏

子育て支援

 

松寿 保育の受け皿の整備は大都市で滞っています。

 

衛藤 そうですね。地方では保育所の定員割れが起きており、待機児童は大都市の問題です。出生率は低いのに待機児童が多いのは、働く母親が一気に増えたのに対し、大都市で保育所などの受け皿が追いつかなかったからです。

 

 理由は土地の確保・費用の問題、建築費の問題、それから職員の賃金の問題があります。これらは国、都道府県、政令市などが総力を挙げて取り組まねば解決できません。

 

 受け皿としては企業の事業所内保育所への支援や小規模保育事業所の整備も進めていきます。こうした政策と併せて働き方の改革も行います。

 

 現に深刻な保育士不足に陥っていますので、人材の確保の問題に早急に対応してほしいと思います。保育士有資格者以外の担い手を配置することが検討されていますが、その業務については質の確保の観点から十分な検討が必要です。

 

 また、将来の見通しのもてる職業にしていくため、保育士の専門性に見合った、一層の処遇改善も求められます。

 

衛藤 人材確保については、潜在保育士の復職支援などの対策を検討しています。今年度3%程度加算する処遇改善をしましたが、さらに2%程度の処遇改善ができるよう検討しています。

 

松寿 新3本の矢では非正規雇用の正規化を掲げていますが、社会福祉法人でも非正規雇用が増えています。

 

 経営努力をしながら正規雇用化を進めなければなりませんが、その分のコストのすべてを社会福祉法人の自己努力だけで補うのは難しいです。介護保険でいえば、例えば、事業所の正規雇用率を介護報酬に反映させるなど、何らかの方策を検討してほしいと思います。

 

 

 

【衛藤 晟一・内閣総理大臣補佐官】1947年、大分県生まれ。70年に大分大卒業。大分市議会議員、大分県議会議員(2期)を経て、90年から衆議院議員(自民 党)を4期務め、厚生労働副大臣などを歴任した。2007年から参議院議員となり、2012年12月に内閣総理大臣補佐官に就任。現在、文教科学委員会委 員、党障害児者問題調査会会長なども務めている。

 

【磯 彰格・全国社会福祉法人経営者協議会長】1960年、兵庫県生まれ。86年に関西医科大卒業、95年に医学博士。同年から社会福祉法人南山城学園(京都 府)の理事長を務め、現在、障害者施設、保育園、老健施設など約40事業所を経営。2015年2月に法人創立50周年を迎えた。全国社会福祉法人経営者協 議会会長には15年5月に就任した。

 

 

 

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