口腔ケアで誤嚥性肺炎の入院ゼロに 富山市の歯科衛生士事務所が独自技法を開発

2016年0119 福祉新聞編集部
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舌ブラシの使い方を説明する精田さん
舌ブラシの使い方を説明する精田さん

 富山市の歯科衛生士事務所「ピュアとやま」(精田紀代美代表)は、口腔ケアで三つの独自技法を開発。業務委託契約を結ぶ10カ所の介護施設すべてで誤嚥性肺炎による入院ゼロを実現した。

 

 同事務所は県保健所に30年間務めた精田さんが、地域密着の歯科保健活動をしようと2003年に開設。06年の介護報酬改定で口腔機能向上加算がついたことで、介護施設から口腔ケアの依頼を受けるようになった。

 

 しかし、月1~2回の訪問では口腔状態を十分に改善させられず、介護・看護職員が「自分たちは手を出さなくても良い」と思うようになるなど反省点が多かった。その経験を踏まえ、精田さんは職員が口腔ケアに取り組めるよう簡単で分かりやすい技法を開発し、職員への教育に力を入れるようにした。

 

 同事務所が教えるのは①簡単口腔ケア週2回法②口腔内臓器つぼマッサージ法③手技で行う咽頭ケア法と排痰−の3技法。パートを含む全職員が研修を受け、施設全体で取り組むことが基本で、同事務所の歯科衛生士が月1~2回訪問し、利用者の口腔状態を点検し、状態改善に必要な用具や使い方などを伝授する。職員はその教えを受け、歯磨きや舌の汚れ落とし、入れ歯の掃除・除菌、口腔内のつぼのマッサージなどを行う。

 

 3技法は県福祉カレッジの研修会などで知られるようになり、09年に4施設、12年に6施設と業務委託契約を結んだ。その結果、唾液がサラサラになるなど利用者の口腔状態は大幅に改善。口腔内の悪玉菌が減り、全施設で誤嚥性肺炎による入院がなくなった。

 

 「個々の利用者に合った口腔ケアを教えていったら5年で全施設が入院ゼロになった。今後は潜在歯科衛生士や施設の看護・介護職員にノウハウを伝え、全国各地で取り組めるようにしたい」と精田さんは話している。

 

 

 

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