「介護職呼び戻そう」 厚労省が再就職支援で最大20万円の準備金

2016年0208 福祉新聞編集部
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厚生労働省
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 厚生労働省は1日、離職した介護職員を呼び戻すための再就職支援準備金貸付制度の概要を明らかにした。対象は介護職員として1年以上働いた経験を持つ離職者で、介護福祉士など一定の知識・技術のある人。都道府県社会福祉協議会の福祉人材センターに登録することも要件とする。2月中に実施要綱を固める。準備のできた福祉人材センターから運用が始まる見通しだ。

 

 同日、都道府県の介護人材確保担当者や福祉人材センターの職員約100人が参加した「第4回介護人材確保地域戦略会議」で明らかにした。準備金制度は2015年度補正予算で新設。安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」に向けた目玉施策として、その取り扱いが注目されていた。

 

 準備金制度は、子どもの預け先探しの活動費など最大20万円を貸し付けるもの。都道府県が実施主体で、費用の9割を国が補助する。再就職後2年間、介護職員(介護報酬上の介護職員処遇改善加算の対象職種)として働くと、返済が免除される。

 

 貸し付け後の2年間、福祉人材センターなどの職員が本人の職場に出向くなど、就労継続をフォローすることも努力義務とする。都道府県が独自の要件を課して運用することも認める。

 

 参加者からは①離職から再就職までの期間が短い場合は、単なる転職と区別することが難しい②複数の福祉人材センターに登録し重複して準備金を借りる事例も考えられる−といった懸念の声が上がった。

 

 離職した介護福祉士が福祉人材センターに届け出ることを努力義務とする制度は、現在継続審議中の社会福祉法等改正案に盛り込まれている。離職者に情報提供することで介護現場への再就職を促すことが狙い。

 

 法案では「2017年4月1日施行」となっているが、厚労省は広く介護人材を対象とした届け出制度を前倒しで始める方針。しかし、実際には福祉人材センターの準備に時間がかかるため、準備金の運用は都道府県によって開始時期などに差が生じそうだ。

 

 厚労省は、介護福祉士養成施設で学ぶ学生が対象の「修学資金貸付事業」を拡充することも説明した。対象となる学生の要件を緩め、現在の4倍相当の1万2000人に貸せるようにする。

 

 対象者の要件を、従来の「学業成績優秀」のほか、「卒業後、中核的な介護職として就労する意欲がある」とし、いずれかに該当すれば認める。貸付事業の実施主体は都道府県で、国の補助を引き上げる。また、学生の入学前に貸し付けを決定できるようにする。

 

 17年度以降の卒業見込み者には、国家試験対策費用(年額4万円以内)を創設する。厚労省は2月中に実施要綱を固める予定だ。再就職準備金貸付制度と修学資金貸付制度をめぐっては、15年度補正予算に計261億円が計上された。

 

 

 

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