【熊本地震】介護技術持つボランティアの派遣を 福祉施設に住民ら避難で

2016年0425 福祉新聞編集部
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ひろやす荘には多くの住民が避難してきている

 14日から熊本県を中心に、強い地震が断続的に発生している。

 

 本紙は16日午後から熊本に入り、益城町内の福祉施設を中心に、熊本市内の様子などを取材した。特に被害が大きい益城町では、多くの地域住民が福祉施設に身を寄せていた。同日未明に本震があり、行政との連絡もままならない中、各施設が自主判断で住民への支援も開始。過去最多の余震という前例のない事態に恐怖を感じながら、利用者や地域住民の命と安全を守ろうと奔走している。

 

 「自宅でテレビを見ていたら突然、体が浮き上がった」−。

 

 社会福祉法人慈光会の永田啓朗・理事長は14日の地震発生時の様子をこう証言した。停電し、棚も倒れた。足に軽傷を負いながらも着の身着のままで、自宅から2・5㌔㍍の所にある特別養護老人ホーム「ひろやす荘」に向かったという。

 

 すると、近隣に住む職員が30人ほど施設に駆け付けており、利用者の安否確認を実施。利用者にけがはなく、ほっとしていると、近隣住民が「自宅は怖い」と施設に集まってきたという。このためホールを開放。最終的に避難者は、子どもや高齢者を含む150人ほどに膨れ上がった。

 

 非常時に備え、ひろやす荘には利用者分の食料はあったものの、さすがに住民全員の分まではない。翌日には避難者から「ご飯は出ないのか」という声もちらほら聞こえてきた。そこで永田恭子・施設長は避難者を集め呼び掛けた。

 

 「申し訳ありませんが、十分な食料は確保できません。お世話をする職員も満足に置けないかもしれません。しかし施設での居場所は保証します。皆で力を合わせて、精いっぱい生きていきましょう」。

 

 そうすると、住民から拍手が起こったという。自主的に掃除を手伝ってくれるなど、協力体制が築けた。永田施設長は「日頃から地域貢献したいという思いはあったが、まさかこういう事態になるとは」と話した。

 

 被災してから、ひろやす荘では職員を通常の2倍の体制にして対応している。ただ、多くの職員も被災しており、徐々に疲労の色がにじむ。渡邉貴代美・介護部長は「介護技術を持つ専門性の高いボランティアに来ていただければ」と話した。

 

 ひろやす荘では、当面、地域住民の受け入れを続ける予定だ。永田理事長は「本当に申し訳ないが、阪神大震災も東日本大震災も、対岸の火事だと思っていた。今回の地震は九州で観測史上最大。本当に『まさか』はあるのだなと思った」と驚きを隠さなかった。

 

 

 

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