改正社会福祉法の施行へ政省令の検討始まる 評議員など6月にも結論

2016年0426 福祉新聞編集部
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厚生労働省

 社会福祉法人改革を柱とした改正社会福祉法の成立を受け、厚生労働省は19日、2017年4月の本格施行に向けた政省令制定の検討を始めた。評議員会をめぐる経過措置の対象範囲、会計監査人の設置を義務付ける対象範囲などについて6月をめどに結論を出す。法人の余裕財産の使途を示す社会福祉充実計画は、12月をめどに法人が決算を見込んで策定に着手。施行までの時間が短い中、各法人は事務作業に追われることになる。

 

 同日、社会保障審議会福祉部会(座長=田中滋・慶応義塾大名誉教授)を開いた。改正社会福祉法が3月31日に成立し、一部は4月1日に施行されたが、本格施行は17年4月1日となっている。

 

 検討課題の一つ目は、改正法により全法人必置の議決機関となった評議員会の評議員数だ。7人以上が原則だが、小規模法人は確保が難しいとの見方があり、施行から3年間は4人以上とする経過措置がある。

 

 これまで、厚労省はこの経過措置の対象を「運営施設が1施設程度の法人」と説明しつつ、明確な線引きは改正法成立後に検討するとしていた。

 

 「1施設のみの法人」でも、特別養護老人ホームは年間の収益が4億円程度、保育所は2億円程度に上る例があり開きが大きい。このため、同日の部会では一定の収益を下回る法人を対象とするよう求める意見が複数の委員から上がった。

 

 評議員については、小規模法人でなくても確保が難しいとの意見も上がり、厚労省は評議員になる人の条件を限定せず、幅広く例示する旨を回答した。

 

 二つ目は、改正法により一定規模以上の法人に会計監査人の設置を義務付けた点だ。厚労省はこれまでその対象を「年間の収益が10億円以上か負債20億円以上」(全2万法人のうち1636法人)と説明していた。

 

 この点については、「監査人に払う費用をどこから捻出するかが問題だ」「小規模な法人には、監査人よりも簡便な方法で第三者が会計処理について助言する仕組みを設けるべきだ」といった意見が上がった。

 

 三つ目が社会福祉充実計画だ。改正法により、いわゆる余裕財産のある法人は同計画の策定が義務付けられ、計画に地域公益事業を盛り込む場合は「地域協議会」で住民や関係者の意見を聞かなければならない。

 

 最大の問題は余裕財産の計算方法だ。法人の全財産から①不動産②建て替えや修繕に必要な財産③運転資金−を控除して算出することが基本だが、それぞれ何を控除対象とするかは今後詰める。地域協議会の例として厚労省は、市町村社会福祉協議会の地域福祉活動計画策定委員会などを挙げた。

 

 「会計監査人」「社会福祉充実計画の控除財産」については、別に検討会を設けて議論する。それを受けて福祉部会は6月にも結論を出し、厚労省は政省令の制定を待たずに事務連絡で周知する。

 

 厚労省によると、17年4月1日から新しい評議員の任期が始まり、同6月30日までに法人が「社会福祉充実計画」を所轄庁に申請する。各法人は今夏以降、新しい評議員を選任することになる。

 

 

 

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