福祉施設の労災4割が転倒と腰痛 中災防調査

2016年0525 福祉新聞編集部
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中央労働災害防止協会のホームページ

 中央労働災害防止協会(会長=榊原定征・日本経済団体連合会長)が厚生労働省の依頼を受け実施した「社会福祉施設における安全衛生対策に関する実態調査」の結果で、福祉施設の労災の36%を転倒・腰痛が占めていることが分かった。

 

 調査は、福祉施設の労災件数が増加していることを受け、全国9330施設を対象に昨年11月に実施。3337施設(高齢者818、障害児者1308、保育所904、訪問介護事業所307)の回答をまとめた。

 

 2014年度に労災事故で1日以上休業した職員がいた施設は2664カ所(全体の80%)。13年度に比べ113カ所減ったが、休業職員数は1110人(1施設当たり0・33人)で、13年度より268人増えた。

 

 事故の類型は転倒が223人(20%)で、腰痛177人(16%)、感染症120人(11%)、暴力によるケガ(9%)と続く。高齢者施設は腰痛が、障害児者施設と保育所は転倒が、訪問介護事業所は交通事故が多い。

 

 一方、労災防止で転倒防止対策をしている施設は2052カ所(62%)、腰痛予防対策をしている施設は1862カ所(56%)。対策をしていない理由は「労災が発生していない」「必要性を感じていない」が多かった。

 

 また、安全衛生担当者を選任している施設は2148カ所(64%)、雇い入れ時の安全衛生教育を行っている施設は1730カ所(52%)だった。

 

 今後、労災防止のために充実させたい事項(複数回答)は「職員に対する安全衛生教育・研修」(78%)が最も多く、「経営者の安全衛生意識の向上」(33%)、「安全衛生担当スタッフの養成」(32%)と続く。「福祉機器や用具の導入」は21%にとどまった。

 

 同協会は「他産業の労災事故が減る中、福祉施設だけ増えている。福祉機器の導入など施設単独では限界もあるが、それが職員の確保、定着につながる。福祉業界を挙げた取り組みに期待したい」などとしている。

 

 

 

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