都内の特養は平均収支差マイナス 経営補助金でカバー

2016年0712 福祉新聞編集部
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 都内の特別養護老人ホームの2015年度決算に基づく平均収支差額率(経常増減差額比率)はマイナス0・11%であることが、東京都社会福祉協議会の高齢者福祉施設協議会(西岡修会長)が実施した調査の緊急報告で分かった。前年度のマイナス0・13%とほぼ同じ水準だった。また、都独自の経営支援補助金を加えると15年度の収支差額率は2・18%だった。

 

 調査は今年6月、高齢者福祉施設協議会の特養分科会に加入する450施設を対象に行った。回収率は81%。収支差率は介護報酬改定の参考資料となるもので、収支差率が高いサービスは「利益がある」として報酬を下げられることがある。

 

 今回の調査では都の補助金の有無で収支差額率が大きく異なる。補助金を除くと介護報酬の地域区分の1級地・2級地・その他はマイナス(表参照)。補助金を含むと1級地が1・47%、2級地が1・01%とプラスに転じ、その他もマイナス5%とマイナス幅が縮小した。

 

 前年度と比べて収支差額率が上がった理由(三つまで回答)は、事業費の節約・節減(63%)が最多で、利用率の向上(54%)、人材不足に伴う人件費支出減(39%)と続く。

 

 加算取得による増収(34%)で収支差額率が向上した施設に、加算を除いた介護報酬収入の前年度との比較を聞くと、63%は減収したと答えた。協議会は「減額された介護報酬部分を加算で穴埋めしている状況がうかがえる」としている。

 

 人件費の割合(派遣職員費含む)が61%以上と答えた施設は9割近くを占めた。また人材派遣会社への紹介料などは、4割強が増加したと答えた。

 

 介護報酬では人件費の地域差是正のため、地域区分ごとに上乗せ割合が設けられているが、全国一律の人件費割合(45%)を乗ずるため、例えば東京23区では上乗せ割合が20%にもかかわらず、実質的な割増分は9%となっている。

 

 協議会は「上乗せ割合のみが注目されており、こうした現状を広く伝える必要がある」と強調。また次の介護報酬改定について「都市部を含めた特養の経営実態を十分把握した上で改善されることを求める」としている。

 

160711平均経常増減差額比率

 

 

 

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