法人経営見通し悪く WAMが福祉版「短観」を初公表

2016年0715 福祉新聞編集部
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 福祉医療機構(WAM)は6月28日、特別養護老人ホームの経営者に現場の実感を聞く「社会福祉法人経営動向調査」の結果を公表した。4半期ごとに現場の実感を発信するもので公表は初めて。6月の景気について尋ねた業況は「良い」が「悪い」をわずかに上回ったが、先行きは悪化の見通しを持つ経営者が大勢を占めた。

 

 調査は、日本銀行が企業に対して行う「短観」の福祉版。WAMは調査に協力してくれる社会福祉法人を公募し、これまで2015年12月と16年3月にも調査を実施していた。

 

 6月の調査は、特養ホームを運営する391法人を対象に実施。ウェブを通じて、383法人が回答した(有効回答率98%)。

 

 それによると、法人の業況を3択(①良い②さほど良くない③悪い)で尋ね、「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いたDI値は5だった。ただ3カ月後の先行きについて聞くと、マイナス8と悲観的な意見が多かった。

 

 法人規模別のDIは、定員100人以上の大規模法人が16、定員が30~99人の中規模法人が6とプラスだった。これに対して、定員29人以下の小規模法人はマイナス11と大きく差が開いた。

 

 一方、企業でいう売り上げに当たるサービス活動収益について法人全体に聞いたところ、DIはマイナス13と減少した法人が多かった。同様に、利益に当たるサービス活動増減差額もマイナス20と厳しい結果だった。ただ、黒字か赤字かを聞いたDIは30と、黒字の法人が多かった。

 

 また従業員数については、DIがマイナス53と人材不足が顕著。資金繰りもマイナス3で、厳しいと答えた法人が多かった。

 

 このほか、経営上の課題について聞くと、職員確保難(78%)を挙げた法人が最も多かった。続いて、人件費の増加(66%)、収益の低下(57%)、人件費以外の経費の増加(22%)だった。

 

 また、効果が感じられる採用活動については、ハローワーク(54%)が最多で、福祉分野対象の合同就職説明会(39%)、実習などの受け入れ(34%)と続いた。福祉人材センターは9%だった。

 

 調査について、WAM経営サポートセンターの関悠希氏は「これまで福祉現場の経営は厳しく、人材不足は深刻という声は多かったが、定期的に数値で把握する仕組みはなかった。結果を社会福祉政策に生かしてもらえれば」と話している。

 

160711WAMの図

 

 

 

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