【社会福祉法人】15年度の収益4億円以下 評議員数の経過措置対象示す

2016年0719 福祉新聞編集部
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自治体の担当者が集まった説明会の様子

 厚生労働省は8日、2017年4月1日施行の社会福祉法人改革をめぐる経営組織の検討事項について、都道府県などの担当者を集めた説明会で現時点の考え方を明らかにした。評議員数の経過措置対象は、15年度の年間収益が4億円以下の法人とする方針。全法人の7割がこれに該当する。その他の検討事項と併せて今年10月に政令、省令を定める。施行日までの時間が短いため、異例の経過報告会となった。

 

 新評議員会は定款変更、理事・監事の選任や解任を決める議決機関で、従来の諮問機関とは性格が異なる。現在の評議員の任期は17年3月31日まで。理事会が中立的な選定委員会を設け、同委員会が新評議員を選ぶ。

 

 評議員会を設置していない法人は現在、全体(2万法人)の45%だが、17年4月からは全法人に必ず置くこととなった。評議員数は7人以上となったが、小規模法人は施行後3年間は4人以上でも良い。

 

 この経過措置について厚労省は当初、1施設のみ運営する法人とする予定だったが、年間収益で線引きする考えに改めた。年間収益を2億円以下(全法人の半数)とする案が浮上したが、厚労省はさらに広い4億円以下とする方針だ。

 

 法人側からはかねて「評議員の確保が難しい」とする声があり、厚労省は円滑に確保できるよう配慮する考えだ。例えば、ある法人の評議員が別の法人の評議員を人数制限なく兼務できるとした。法人の元職員が評議員になることも可能で、退職後1年程度経過した人が望ましいとした。

 

 また、全国社会福祉協議会は4日、都道府県・指定都市社協事務局長宛てに、法人の評議員確保を積極的に支援するよう文書で呼び掛けた。法人からの要請があれば、市区町村社協がNPO活動者など地域の人材を紹介することを例示した。

 

 法人改革をめぐっては今年3月31日に改正社会福祉法が成立。政令、省令で定める事項は4月から社会保障審議会福祉部会で議論を始め、まだ結論は出ていない。

 

 厚労省は法人側の準備が後手に回ることを避けるため、途中経過を6月20日に都道府県などに事務連絡し、その上で今回の説明会を開いた。「法人改革は実質的に初めての経験で、周知が行き届いていない」(田中徹・厚労省社会福祉法人制度改革推進室長)との認識が背景にある。

 

 同日の説明会では、法人の定款例の案も提示。また、いわゆる余裕財産のある法人は社会福祉充実計画の策定が義務になるが、余裕財産を弾き出す計算式の公表は今秋になり、改めて説明会を開くとした。

 

 法人改革をめぐるQ&Aなどを含め、説明会で配布された資料は厚労省ホームページからダウンロードできる。

 

評議員・評議員会の改正ポイント

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