熊本地震から3カ月 広がる在宅障害者支援

2016年0720 福祉新聞編集部
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ボランティアの支援を受けながら引っ越しをする宮地さん(左) (7月2日午前11時半、熊本市内で)

 被災した障害者を支援する「被災地障害者センターくまもと」(熊本市)は4月下旬から活動を始め、これまで約150人の依頼に対応してきた。居宅介護の経験者らがボランティアで集まり、生活に必要な物資の提供、病院への付き添い、生活費の相談など、福祉サービスでは賄いきれない個別ニーズにも寄り添う。

 

 この日は熊本市内の宮地稔・直子夫妻から引っ越し作業の依頼があり、3人が支援した。稔さんは交通事故で脊髄を損傷してから車いす生活になった。

 

 宮地夫妻は4月16日の本震後、数日間、車中泊を余儀なくされた。稔さんは「一般のトイレは使えないし、ベッドから自力で起きられないので、避難所に行くのは諦めていた」と話す。食べる、寝る、トイレにとにかく苦労したという。

 

 余震が続く中、福祉避難所に入れて少し落ち着いたというが「福祉避難所を知らなかった」と直子さん。稔さんも「一般の人も避難しているし、職員も被災していると思うと遠慮してしまう」と控えめに話す。

 

 宮地夫妻の元住居は耐震上の問題はなく戻れることになったが、上階から水漏れして部屋に悪臭がした。早く元の生活に戻りたい、でも臭いがきつい。葛藤が続いた。そんな中、1階でバリアフリーの部屋が見つかり、引っ越しを決めた。

 

 これまでセンターに来たボランティアは約150人で、福祉関係者に限定している。視覚障害者の移動に付き添ったり、被災者の話を傾聴しながら精神的なケアをしたり、〝福祉の目〟を持った支援ができるからだ。一般のボランティアではそうした対応は難しい。

 

 支援に参加した佐藤博さん(社会福祉法人そうそうの杜・大阪市)は「精神障害者は余震が続き落ち着かず後ろ向きになってしまう」と話す。岡崎民さん(社会福祉法人共生福祉会・熊本県合志市)は「まだ知的障害者からの支援の要請がない。親が頑張ってみているのでは」と気に掛ける。

 

 センターは被災障害者を支援する「ゆめ風基金」や日本障害フォーラムの支援を受けて運営しており、公的な支援はない。まだ支援につながっていない障害者に届くよう、7月中に市からセンターのチラシを配布してもらう。多くの支援要請がくると想定し、活動を続ける。

 

 

 

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