「1本の点滴よりスプーン1杯の食事」 新調理システムを導入した施設の効果は

2016年0727 福祉新聞編集部
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再加熱した料理は保温カートで各フロアに運び盛り付ける

 東京や神奈川で6カ所の介護保険施設を運営する龍岡会グループ(大森順方理事長)は、2005年に新調理システムを導入した。オール電化厨房で作り出される料理は、衛生面に優れ、味もおいしいと大評判。朝食の主食や昼食の主菜を利用者が選べるようにするなど食事サービスの質向上やコスト管理に欠かせないシステムになっている。

 

 医療法人社団として5カ所の老人保健施設と2カ所のグループホーム、社会福祉法人として1カ所の特別養護老人ホームなどを運営する龍岡会。

 

 1996年に最初の老健施設を開所した時から「食は上薬にして医薬は下薬なり」の理念の下、ふぐ取扱資格を持つ板前を調理師として雇用したり、スチームコンベクションオーブン(スチコン)を導入したりするなど食事に力を入れてきた。

 

 新調理システム導入のきっかけは、3番目の老健施設新設の際に厨房作業の近代化を考えたこと。

 

 「将来的に腕の良い調理師の確保は難しくなる」と考えた大森理事長は、新施設の厨房をセントラルキッチン(CK)にし、そこで調理した食事を各施設のサテライトキッチン(SK)に配送するシステム(図1参照)を考えるとともに、HACCPの概念に対応するためにオール電化厨房にすること、新調理システムを導入することを決めた。

 

【図1】CKとSKの仕組み

【図1】CKとSKの仕組み

 

 「腕の良い調理師を1カ所に集めることで味を均一化し、厨房温度を25度以下に保つようオール電化することで細菌が繁殖しにくく、職員が快適に働ける環境を作ろうと思った。スチコンなどは使っており、新調理システム導入の下地はできていた」と振り返る。

 

 大森理事長はすぐに厨房システムメーカーのニチワ電機㈱に厨房設計、機器選定、職員研修などのコンサルタントを依頼。管理栄養士や調理師と一丸となり、約1年かけてHACCP導入の12手順・7原則に基づく標準作業手順書やレシピづくり、調理トレーニングなどを進めた。

 

 

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