ソーシャルワーカーの活躍なるか 人材養成の見直しで緊急討論集会

2016年1007 福祉新聞編集部
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議論を呼び掛ける二木学長(立つ人)
議論を呼び掛ける二木学長(立つ人)

 厚生労働省が12月から来年にかけて社会福祉士養成の見直しに乗り出すことを受け、福祉関係17団体が加盟するソーシャルケアサービス従事者研究協議会(白澤政和代表)は9月17日、都内で緊急討論集会を開いた。

 

 二木立・日本福祉大学長は福祉の対象を拡大するとした厚労省の方針を説明し、「ソーシャルワークの職能団体や養成団体にとって絶好のチャンスと言えるが、他職種の参入によりソーシャルワーカーの就労の場が狭まる危険も併せ持っている」と問題提起した。

 

 二木学長が注目したのは、7月に厚労省が立ち上げた「『我が事・丸ごと』地域共生社会実現本部」だ。その検討テーマとして医療・福祉の人材養成見直しが挙がっている。

 

 具体的には、医療や福祉の資格に共通の基礎課程を設けたり(2021年度開始を目指す)、福祉系有資格者が保育士を取得しやすくなるよう試験科目を一部免除したりすることを検討する。社会福祉士、精神保健福祉士はその対象に入った。

 

 これが実現すれば「史上最大の改革」(二木学長)となるだけに、会場となった東洋大(文京区)には大学の教員ら約200人が参加。厚生労働省の担当室長もコメンテーターとして同席し、教室の外まで立ち見の人であふれかえった。

 

 シンポジウムでは、ソーシャルワーカーの養成や働き方などが議論された。藤田孝典・ほっとプラス代表理事(埼玉県)は「私は学生時代に新宿の夜回りなどを経験したが、自分が何をすべきかがよく分かった。実のある実習先をもっと増やしてほしい」と注文した。

 

 勝部麗子・豊中市社会福祉協議会福祉推進室長(大阪府)は「現場では人材が疲弊している。頑張る人ほど燃え尽きて仕事を辞めてしまう」と指摘。アイデンティティを持って働ける環境を整えることが大切だとした。

 

 西元幸雄・社会福祉法人青山里会常務理事(三重県)は「社会福祉法人は本来、ソーシャルワークをする組織だ」と主張。17年4月の法人制度改革のカギはこの点にあると訴えた。

 

 二木学長が会長を務める日本社会福祉教育学校連盟などソーシャルワーク教育を担う団体の検討委員会は、社会福祉士養成の講義科目を減らし実習時間を増やすなど、養成の見直し案を近く厚労省に提出する方針だ。

 

 

 

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