【社会福祉法人改革】控除対象は運転資金3カ月分

2016年1031 福祉新聞編集部
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 2017年4月施行の社会福祉法人改革に関連し、厚生労働省は21日、いわゆる内部留保(社会福祉充実残額)を導く計算方法の修正案を明らかにした。法人の全財産から控除できる運転資金は「年間事業活動支出の1カ月分」と説明していたが、修正案は3カ月分とした。小規模法人に緊急的な支出が生じることもありえるため、配慮が必要と判断した。改正社会福祉法が規定する政令・省令を定めた上で、11月下旬に自治体向けの説明会を開く。

 

 修正案は同日、「社会福祉法人の財務規律の向上に係る検討会」で明らかにした。より多く控除し、社会福祉充実残額を小さくする方向での修正案と言える。社会福祉充実残額のある法人は、その活用方法を盛り込んだ社会福祉充実計画を17年6月末までにまとめなければならない。

 

 残額を算定する上で法人の全財産から差し引く「控除対象財産」は①施設の建て替えや大規模修繕などに必要な財産②不動産③運転資金−で、厚労省は控除額が過大にならないようそれぞれに計算方法を定める。

 

 建て替えに備えた自己資金について厚労省は、総費用の15%を標準としつつ、建設時に15~35%だった法人はその比率分の控除を認める考えだった。35%を控除の上限とした。

 

 それに対し、同日は自己資金比率35%を超えて建てた法人も建設時の比率をそのまま控除対象に反映する修正案を示した。「法人の経営努力を適切に反映するため」という。

 

 また、貸借対照表上の資産区分(流動資産、固定資産)ごとに「控除対象になる」「ならない」「内容によってなりうる」を印付けた一覧表も示した。

 

 「高齢者入所施設7カ所、その他在宅サービスを運営する法人」「保育所一つを運営する法人」などの例を挙げ、仮置きの数字を当てはめて残額を導いた資料も示した。

 

 社会福祉充実計画は実施期間を5年以内として社会福祉事業、地域公益事業(無料または低額な料金によるもの)などを行うもの。ただし、合理的な理由があれば最長10年まで延長できる。「法人が使途を明確にしないままお金をためている」とする批判をかわすことが狙いだ。

 

 このように財務規律を強化することを前提に、厚労省は法人が結ぶ随意契約の規制を緩和する方針。また、現在は認めていない未公開株の保有についても、社会福祉に関する調査研究を行う企業のものであることなど一定の条件付きで認める考えだ。

 

 

 

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