新調理システムで安全な食事 利用者の希望に応じて提供

2017年0210 福祉新聞編集部
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10人いれば10人に合ったものを提供すると話す山崎会長(左)
10人いれば10人に合ったものを提供すると話す山崎会長(左)

 「10人いれば10人に合った食事を提供する」。そんな個別食事ケアを徹底している特別養護老人ホームがある。岩手県大船渡市の社会福祉法人成仁会(山崎シゲ会長)の成仁ハウス百年の里だ。新調理システムで作った安全で「おいしい」と評判の食事は、利用者の希望や嚥下状態などに応じて各ユニットで配膳。きめ細かな対応には「相手の幸せを本心から願う」という同会の姿勢が現れている。

 

 個別食事ケアを始めたきっかけは、山崎和彦理事長を中心に同会の特養ホーム「富美岡荘」で1996年から、利用者の体温、血圧、食事量などのデータをコンピューターに入力し、個々に合ったパーソナルケアプラン作りをしたこと。その中で、摂取水分量が少ないと熱が出たり、食事を7~8割しか食べないと体重が減ったりすることが分かった山崎理事長は、食事ケアの改善に着手。取り入れたのが、新調理システムと厨房業務の専門業者への委託だった。

 

 新調理システムは、仙台市のグループ法人杜の里福祉会の特養ホーム「一重の里」で2007年に初導入。誰が調理しても均一でおいしい料理ができることや、昼食調理後の空き時間に翌日の朝食を作るなど計画的な調理ができること、食品衛生管理の国際基準HACCP(ハサップ)をクリアできることなどから取り入れた。

 

 一方、厨房業務の委託は、個別食事ケアや新調理システムに対応できるノウハウがあること、良い食材を低価格で仕入れることができることなどから採用。厨房業務を委託している近隣施設に職員を派遣し、食べ比べなどをした結果、日清医療食品㈱に決定した。

 

 「厨房業務の委託により、個別食事ケアに対応できるようになった。東日本大震災の時には水や食材を運んでくれ、廊下で200人分の食事を用意してくれた。同社に委託して本当に良かった」と山崎理事長は語る。

 

 

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