主任保育士を子育てコンシェルジュに 寺田清美教授から報告

2017年0303 福祉新聞編集部
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社会福祉法人みかり会「多夢の森」のサロン

  「赤ちゃんが泣きやまないと、自分も泣いてしまう」。「赤ちゃんと2人きりで部屋にいると、孤独に押しつぶされそうになる」。

 

 子育て中の人からこんな声をよく耳にします。 赤ちゃんはかわいいけれど、母親(父親)にとって育児は楽しいだけではありません。頑張っているのに、思い通りにいかず「自分は親失格なのかも…」と、落ち込んでしまう人もいるようです。責任感のある人ほど、つい自分を責めてしまいがちです。

 

 赤ちゃんがいると、外出もままなりません。育児相談を、インターネットの情報に求める人も増えています。いつでもどこでも情報を取り出せるネットは便利ですが、中には不確かなものもあります。

 

 また、勇気を出して書きこんだ悩みに対して、心ない言葉を投げつける人もおり、かえって深い傷を負ってしまうことも。ネットは便利な道具の一つですが、マイナスの側面も忘れてはいけません。無責任な情報に振り回されないよう、十分注意したいものです。

 

 悩んでいる時は、誰かに愚痴ぐちや胸の内を打ち明けてみると気分転換になるようです。「そういう時ってあるよね」と、共感してもらえると、心がすっと軽くなります。

 

 だからこそ、保育園で働く主任保育士は地域の子育てコンシェルジュになれるよう心掛けてほしいと思っています。

 

  「相談する相手が近くにいない」と言う人が、子育て支援センターや保健所などさまざまな施設の相談の窓口に声を掛ければ対応してもらえる、そんなワンストップサービスであればよいのですが、現実はまだまだそうはなっていません。

 

 あらかじめ「もし一つの窓口で思うような対応を受けられなくても、諦めずに別のドアを叩いてください。必ず誰かが手を差し伸べてくれるでしょう」と声掛けをしておくことも、母親や父親が期待外れから落ち込むことの軽減になるかもしれません。

 

 最近は、パパ・ママサロンに加えてジジ・ババサロンを企画する保育所や、玄関の横にカフェを常設して地域交流や送迎時に保護者がホッとする空間を設置する保育所も出てきました。

 

 また、保育所が、子育て支援団体の発行するお便りや、子育て相談、赤ちゃんのいる保護者の交流会などの情報展示コーナーを設置しておくことも、地域の乳幼児家庭の支援につながります。

 

 主任保育士は、地域に愛される保育所づくりを目指して、保護者が積極的に参加してみたくなる企画を立案していきましょう。

 

 

寺田清美・東京成徳短期大学教授

寺田清美・東京成徳短期大学教授

 

【略歴】東京成徳短期大学教授。保育歴26年(係長副園長)の経験もあり、社会福祉士の資格も持つ。厚生労働省の社会保障審議会保育専門委員会の委員なども務めている。

 

 

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