人と人とが対等でありたい 北海道ピアサポート協会がフォーラム

2017年0310 福祉新聞編集部
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ピアデザインでのミーティング。和やかな雰囲気づくりを心掛けている

 一般社団法人北海道ピアサポート協会(矢部滋也代表理事、札幌市)は2月24・25両日、同市内で「こころのピアサポートフォーラム」を開き、約200人が参加した。精神疾患を経験した人が孤立しないよう「つながりの場」を設ける活動の一環。討論では、障害福祉事業所での人と人との「対等性」がキーワードとなった。

 

 「眠れない、食べられない日々が続き苦しかった」。高齢者の福祉施設に勤めていた27歳の頃、先の見えないトンネルに迷い込んだと話す矢部代表理事(33)。精神科で受診し、入院もした。

 

 転機はある研修の場での鹿内清和さん(46)との出会いだった。それぞれの病の経験を語り合った結果、同じように苦しんでいる他の人の助けになればと自助グループ「SAPIA」を発足。2014年5月には同協会を設立した。

 

 15年2月には就労継続支援B型事業などを運営する「多機能型事業所ピアデザイン」を協会の事業所として開設。そこで働く職員はうつ病など精神疾患の経験者ばかりだ。

 

 永井隼一さん(35)もその一人。会社員だった20代で発病し、入院も経験した。フォーラム初日のパネルディスカッションでは「どうすればいいか分からなかった自分に、矢部さんが声を掛けてくれた。仲間に救われた」と振り返った。

 

 病が完全に治ったわけではないが、同じような経験をした人と対等に話せる心地よさを感じた。「2年前からピアデザインの職員なので私はピアスタッフかもしれないが、そう名乗るのは今日が初めて」と笑う。

 

 同協会の理事で、就労移行支援事業などを展開する「エールアライブ」(同市)の職員でもある鹿内さんは「私もピアという言葉があまり好きではない。事業所内の人間関係に対等性があれば、それで十分だ」と話した。

 

 精神保健福祉士の養成に携わる永井順子・北星学園大准教授は「ピアスタッフを研究テーマにする学生が非常に増えている」と報告し、医療・福祉専門職の立ち位置が支配的なものではなくなっていくことを示唆した。

 

 フォーラムには釧路、室蘭などからの参加者もあり、手ごたえを感じた矢部代表は「今後は企業内研修などに出向き、社員が精神的に追い詰められないよう予防的にかかわることにも挑戦したい」と話している。

 

「仲間に救われた」と話す永井さん(左端)

「仲間に救われた」と話す永井さん(左端)

 

 

 

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