オール電化厨房でハサップに対応 A型で障害者らが1日1100食のお弁当

2017年0317 福祉新聞編集部
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急速冷却機(ブラストチラー)で一気に冷やす

 東京オリンピック・パラリンピックに向けて制度化される予定の食品衛生管理の国際基準HACCP(ハサップ)。長崎県雲仙市の障害者就労継続支援A型事業所「味彩花」(社会福祉法人南高愛隣会)は5年前、衛生面の強化と働く環境を整えるために大型設備を導入し、オール電化厨房に建て替えた。1日平均1100食のお弁当などを、安全性はもちろん手作りと地元の自然素材にこだわり作っている。

 

 HACCPは微生物汚染などの危害を予測した上で監視・記録し、安全な食品を製造する手法。味彩花は現在、「長崎HACCP」(全8段階)の6段階まで取得している。

 

 HACCPでは温度管理と記録の徹底が求められる。冷蔵庫や冷凍庫の温度のほか、揚げる時、冷ます時など調理中にも温度を測り、記録する。原材料の入荷時も温度や時間を確認し、施設内の温度は25度以下にしなければならない。

 

 殺菌処理や異物混入対策も重要。まな板や包丁は紫外線殺菌し、生野菜などは加熱殺菌できないため塩素殺菌を行う。厨房内は専用の作業服やマスクを着用し、毛髪なども除去する。食中毒対策で従事者の健康状態や手洗いもチェックする。

 

生野菜は次亜塩素酸水で殺菌し手洗い

生野菜は次亜塩素酸水で殺菌し手洗い

 

 法人では利用者を社員と呼ぶ。HACCPの取り組みには手間もかかるが、髙木美和・事業部長は「社員教育が重要。やらされるのではなく主体的に取り組むよう促している」とし、2カ月に1回研修を開き作業手順などを丁寧に教えている。

 

 現在34人(定員20人)の社員が下処理室、調理室、配膳室、洗浄室に分かれ、食材の検品、切る、焼くなどの調理、盛り付け、洗浄などを行う。平均賃金は11万4000円だ。

 

 味彩花の2015年度の事業収入は1億8300万円。お弁当などは日中事業所、認知症グループホーム、一般企業に届けている。固定客が多いため、飽きられないよう工夫している。

 

 髙木事業部長は「HACCPは衛生や食品管理、調理方法を統一し、記録を残すことによりお客様に安全性をアピールできる。来年度には国際基準と同等の8段階を取りたい」と話している。

 

 

 

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