【社会福祉法人改革】定款変更の期限迫る 3割が認可まだ

2017年0321 福祉新聞編集部
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福祉新聞社主催のフォーラムに集う社会福祉法人関係者ら(昨年10月)

 改正社会福祉法に基づく社会福祉法人の定款変更の期限、3月31日が目前に迫った。厚生労働省の石垣健彦・福祉基盤課長は2日、全国の自治体担当者を集めた会議で「定款変更を未申請の法人がまだ3割以上ある自治体は、法人に早く申請するよう促し、審査も迅速に進めてほしい」と強く呼び掛けた。

 

 同課によると2月22日時点で、全国で未申請の法人が13・5%、所轄庁の審査中が17・0%あり、3割が認可を終えていない。担当者は「事務的には間に合うと思う」と話している。

 

 厚労省は社会福祉法人の定款について以前は「定款準則」を示していたが、今回は例示であることを明確にするため「定款例」を示した。

 

 昨年6月に定款例の案を事務連絡し、同11月に案の変更点を記す形で定款例を示したが、この時点で期限の今年3月31日まで4カ月余り。自治体も法人も短期間での対応が求められている。
 

 

 法人によって対応はさまざまだが、認可を受けるまでの取り組みの具体例を紹介する。  

 

 「時間が少ない中で後から決まる事項も多く、その対応に苦労した」と話す社会福祉法人村山苑(東京都東村山市)の相原弘子事務局長。村山苑は今年1月5日に都の認可を受け定款変更を終えた。

 

 新定款づくりは元の定款と定款例を照らして相違点などをチェック。資料を集めたり説明会や相談窓口などを利用したりして、定款例の内容を理解していった。

 

 最終的に定款例に元の定款にあった文言を追加する形になった。元の定款と比べると、半分程度は書きぶりなどが変わった。

 

 苦労したのは根拠法の理解、定款例の備考の確認など。情報量が多かったことや厚労省の決定が遅いことにも手間取った。ただ「定款づくりは自法人づくり」(相原事務局長)との意識で取り組み、昨年8月に定款案を作成した。

 

 都の説明会は2回。以後は郵便、電話、メールで相談した。村山苑は都に対し、法人の資産総額の変更にかかる登記期限、顧問の設置、評議員会や理事会の議長の設置などについて質問した。これらは後に厚労省がFAQ(よくある質問と答え)で示した。

 

 その後、昨年10月までに都に事前審査を出し、文言修正などの指摘を受け、同11月に本審査に出し、今年1月5日に認可された。

 

 村山苑には以前から15人の評議員がおり、役員との兼務は1人だけ。そのため新評議員の選任に混乱はなく10人を選んだ。理事(理事長含む)は現在7人で新理事は7人以上になる予定。評議員の報酬(交通費含む)は年度額が50万円を超えない範囲と規定した。

 

 村山苑の2015年度のサービス活動収益は約25億円。16年度見込みも会計監査人の設置義務対象(30億円以上)にはならないが、今回、会計監査人の規定を盛り込んだ。一方、運営協議会の規定は見送った。評議員に家族や地域の代表がおり社会福祉協議会と連携もとれているので不要と判断した。

 

 品川卓正理事長は「今回の法人改革の本質は営利法人とのイコールフッティングの問題。これまで経営に関する認識が低かった法人役員の姿勢が問われる」と話している。

 

 

 

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