児童養護施設等退所者の3割が連絡とれず 全社協が支援ネットワーク確立へ

2017年0328 福祉新聞編集部
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全国から約300人がセミナーに集まった

 全国社会福祉協議会は10日、都内で児童養護施設退所者らの支援について考える全国セミナーを初めて開いた。社会的養護関係者など約300人が参加した。退所する子どもに対し、施設が提供できる支援項目の豊富さが、退所後のつながりに影響するという調査結果を紹介した。     

 

 全社協は2016年度から「社会的養護施設等退所児童等支援協働アクション事業」を始めた。各施設や事業者らが実施している退所者への支援を共有し、広めることを目的とする。子ども関連の全国組織が持つネットワークを活用したり協働したりするため、全国児童養護施設協議会や全国里親会など9団体による「全国退所児童等支援事業連絡会」も置く。
 

 

 中央共同募金会が16年に創設した「赤い羽根福祉基金」の助成を受け、社会的養護施設などによる退所者支援の実態把握など調査研究事業も実施した。同日のセミナーもこの一環で開かれた。
 

 

 実態把握では児童養護施設・乳児院・母子生活支援施設など社会的養護関連6種別や、退所者を支援する事業所に、それぞれ支援内容などを尋ねる調査票を送った。調査期間は16年7月22日から約1カ月。他にヒアリング調査も実施した。
 

 

 6種別1186施設を対象にした調査では910施設から回答を得た。16年5月末現在で、13年度に退所した子ども8254人のうち、連絡の取れる子どもは5733人(69・5%)、取れなくなった子どもは2521人(30・5%)だった。
 

 

 事務局の全社協児童福祉部が速報値を紹介。施設退所者に対する支援メニューが豊富な施設ほど退所後も連絡のつく人が多いことが調査で分かったと報告した。担当者は「多くの施設で取り組む相談支援にとどまらず、就労、住宅、経済など、具体的な支援を行っていく中で、子どもとのつながりができていくのではないか」と語った。
 

 

 今後、施設と退所児童を支援する事業所・団体とのネットワーク確立に向けたモデル事業などに取り組むという。セミナーでは乳児院や里親、ファミリーホーム、母子生活支援施設などで取り組む退所者支援の報告なども行われた。

 

 

 

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