温泉の入浴を拒否 事例で障害者差別解消法を学ぶ

2017年0428 福祉新聞編集部
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浴室内で湯船に入るときの様子を実演した

 施行1年を経た障害者差別解消法の学習会が11日、東京都国立市内で開かれ、障害者や福祉サービス従事者ら約70人が参加した。障害者団体などで構成する国立市しょうがいしゃ団体等協議会の主催。温泉に入ることを拒まれた事例をもとに同法が定める差別とは何かを学んだ。 

 

 自作の車いす型シャワーチェアの持ち込みを拒まれ、温泉に入れない経験を発表したのは、同協議会代表で重度障害の三井絹子さん(71)。

 

 1970年代前半、入所していた都立府中療育センターから別施設に移ることに反対の運動を展開し、後に退所して国立市内に40年以上住んでいる。

 

 三井さんは車いすを使い、会話はできない。文字盤の字を指して意思表示する。筋の通らないことに立ち向かう闘志は健在で、自分を抱えて湯船に入れる介助者が転倒の危険と隣り合わせであることを実演した。

 

 転倒の危険を回避するための自作のシャワーチェアが衛生上良くないなどの理由で拒まれたとし、差別解消法の施行後も状況は変わらないという。「衛生上は何も問題ないのに、いまだにこういうことがある。障害者が置かれている現実をぜひ多くの人に知ってほしい」と発信した。

 

 差別解消法の制定に携わった内閣府障害者施策アドバイザーでDPI日本会議の尾上浩二・副議長は、抽象的な理由では受け入れを拒めないとする同法の対応指針(府省庁が民間事業者向けに策定)を紹介。三井さんの事例もこの対応指針に照らし合わせ、事業者が受け入れを拒む理由に具体性があるかどうかが大切だとした。

 

 国立市の福祉部長などを歴任し、三井さんと40年来の付き合いという永見理夫・同市長も同日の学習会に参加し、「社会的排除をなくすには社会の意識を変えていかなければならない。行政の課題は大きい」と話した。

 

 

 

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