精神障害の親を持つ子たちへ ウェブや絵本を通じて情報届ける活動

2017年0511 福祉新聞編集部
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自分の体験を語る細尾さん

 「精神障害者の家族」という場合、障害者本人の親やきょうだいを指す場合が多いが、この数年は子どもの存在も注目されつつある。NPO法人「ぷるすあるは」(北野陽子代表、さいたま市)は絵本の制作やウェブサイトを通じて「あなたは一人じゃないよ」と呼び掛けている。

 

 「母親が精神的に不安定で、私は小学校低学年の頃から家事をしていた。そのことを誰かに相談する発想は全くなかった」。

 

 「ぷるすあるは」の絵本制作担当で看護師の細尾ちあきさんは今年3月、都内のセミナーで自分の体験をこう語った。統合失調症やうつ病などを知らず、親の不安定さは自分のせいだと思い込んでしまう子もいるという。

 

 そんな子どもたちに大げさな支援をするのではなく、ほんの少しの情報を伝えるだけでもいい。そう考えて2012年からこころの病を伝える絵本を作り、子どもの目にとまりやすい学校の保健室に寄贈したりしてきた。

 

 「子どもたちが学校で普通に病気のことを知るチャンスがあるといい。病気は特別なことではないと知ってほしい」と細尾さん。15年6月に法人化し、同8月に開設した「子ども情報ステーション」は1年半で47万アクセスを超えた。

 

 

 そこにはイラストで精神疾患を学ぶコーナー、困った時の対処法などが並ぶ。

 

 精神看護学が専門の横山恵子・埼玉県立大教授によると、こうした子どもの生きづらさが注目され始めたのは08年ごろ。成人してから同じ境遇の人と語り合うグループをつくる人も増えてきた。横山教授は「自分の体験を隠さずに話すことが大切だ」としている。
     

 

 

 

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