婦人保護施設に母と入る子が増加 職員配置の加算拡充へ

2017年0911 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は婦人保護施設に母親と同伴して入所する18歳未満の子どもが増えていることを受け、2018年度から同伴児に対応する職員の配置を増やす方針だ。現在、最大で3人配置できる措置費の加算があるが、これを5人に増やす。18年度の予算要求に盛り込んだ。しかし、現在もこの加算は十分に活用されていない。施設側は人員配置基準の改善など抜本的な見直しを求めている。

 

 同伴児をめぐっては、児童相談所の関与が薄く、通園・通学もできない「宙に浮いた存在だ」とする指摘がこれまでもあり、09年度から措置費に加算が設けられた。

 

 昨年12月には性暴力被害者支援に関する与党のプロジェクトチームが、同伴児の問題を含め、婦人保護事業を抜本的に見直すよう提言をまとめた。 

 

 婦人保護施設は売春防止法に基づく施設。売春するおそれがあるなど保護の必要な女性が措置により単身で入所することが基本だ。16年4月現在、全国に48施設ある。

 

 しかし、2001年のDV防止法制定後は、配偶者から暴力を受けた女性の緊急入所が増えるにつれ同伴児も増加している。一方で、施設の人員配置基準(例・定員50人以下は指導員2人)は同じままだ。

 

部屋の前の廊下にベビーカーが並ぶ
婦人保護施設

 

 厚労省の統計によると、15年度の同伴児の延べ人数は06年度に比べて約2割増加。また、厚労省研究班の調査によると、14年度に措置入所した女性の約3割が子ども(実人数518人。その7割が乳幼児)を同伴した。

 

 この518人を計29施設が受け入れたが、そのうち同伴児対応職員の加算を算定した施設はわずか8施設で、対象となる職員(非常勤)は11人にすぎなかった。

 

 加算の算定には同伴児が一定数以上必要なため、小規模な施設では要件を満たすことが難しいからだ。18年度から職員4人を配置するには、1日当たりの同伴児16人以上という要件になる見込みで、複数の施設から「非現実的だ」との声が上がっている。

 

 全国婦人保護施設等連絡協議会の横田千代子会長は「同伴児は障害のある子もいて年齢もさまざまで、人数が少なくても職員の手はかかる。本来は加算ではなく、基本の人員配置基準を引き上げるべきだ」としている。

 

 

 

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