初の全職員が手話つかう発達支援事業所 聴覚障害児が気兼ねなく遊べる場に

2017年0912 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
ブロックで遊ぶ親子。照明が消えると次のプログラムに移る合図

 学校法人明晴学園(斉藤道雄理事長、東京都品川区)はこのほど、未就学の聴覚障害児が通う児童発達支援事業所「めだか」を開設した。全職員が日本手話を使う。身振りや顔の表情も含めた小さな発話を見逃さず、子どもが「伝わった」と思える場面を増やす。同学園は「職員全員が日本手話を使う児童発達支援は全国初ではないか」としている。

 

 「めだか」は月~金曜の週5日開く。1日の定員は10人。同学園は今年3月まで自主的な取り組みとして週3日乳児クラスを開いていたが、ニーズが大きいため福祉サービスとしての「めだか」を6月に開設した。

 

 サービス内容は「個別相談」「指さしや動作を学ぶ集団遊び」などで、ろう者を含む4~6人の職員が個別支援計画に基づいてかかわる。「めだか」に通う2歳の男児の母親は「ろうの職員だからこそ気付く、うちの子の身振りや表情があります。一人ひとりに目的を持ってかかわってもらえる点がありがたい」と話す。

 

 児童発達支援は児童福祉法に基づくサービスで、日常生活の動作や集団生活への適応などを訓練する。障害の種類は問わない。「めだか」を利用するには、自治体発行の受給者証が必要だ。利用者負担も発生する。

 

 それでも利用登録数は今年3月までと比べてさほど減らない。聴覚障害児が聞こえないことを気兼ねせずに遊べる場が圧倒的に不足しているからだ。

 

 厚生労働省によると、児童発達支援事業所は今年4月現在で全国に4758カ所あるが、聴覚障害児の受け入れ実態は不明。地域で中核的な機能を果たす児童発達支援センターは619カ所で、聴覚障害児を受け入れるのはわずか20カ所。手話を使う事業所はさらに少ない。

 

 一方、ろう学校は手話を使う教員ばかりではなく、3歳未満児の受け入れは学校による任意なので標準化されていない。
 「本当は『めだか』に週5日通いたいという親子もいますが、1日10人までなのでお互いに譲り合ってもらっています。その結果、週2日通う親子が多いのが現状です」と同学園の玉田さとみ理事は言う。

 

 同学園は2008年4月、日本手話で教育するろう学校を開設。幼稚部から中学部まであり、「めだか」はそこに隣接しているため異年齢児との交流も定期的に行っている。

 

 日本手話は日本語と異なる文法を持ち、眉など顔の部位を動かすことも文法要素だとされている。

 

 

 

(福祉関連書籍)

 

 

子ども食堂をつくろう!  ── 人がつながる地域の居場所づくり
明石書店 (2016-08-25)
売り上げランキング: 6,179

 

ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常
藤田 結子
毎日新聞出版 (2017-06-21)
売り上げランキング: 6,836
    • このエントリーをはてなブックマークに追加