平均賃金7万3000円 障害者就労A型事業の団体が初調査

2017年0928 福祉新聞編集部
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久保寺一男・就労継続支援A型事業所全国協議会理事長

 就労継続支援A型事業所全国協議会(久保寺一男理事長)が12日に発表した実態調査で、A型事業所で働く障害者の平均月額賃金が7万3000円であることが分かった。

 

 調査は今年2月、全国にあるA型事業所3500カ所を対象に初めて実施(有効回答率28%)。定員の平均は18・8人。運営主体は企業(50%)、社会福祉法人(21%)、NPO法人(18%)、社団法人(10%)だった。

 

 障害者に働きながら技能を身に付けてもらうA型事業は、利用者と雇用契約を結び、最低賃金も保証する。調査結果によると、平均月額賃金は7万3374円。実労働時間は、20~30時間が半分以上を占めている。一方で、職員の平均年収は常勤が261万円、非常勤が116万円と他の福祉分野の事業と比べて低い水準だった。

 

 利用者の生産活動について聞いたところ、請負や受託で多かったのは、屋内清掃(218事業所)、封入・発送(204事業所)、屋外清掃(167事業所)の順。自主事業だと農作業(159事業所)が最も多く、喫茶店(96事業所)、弁当・配食(85事業所)、菓子製造(69事業所)と続いた。

 

 A型事業所の課題については「利用者の成長」(66%)と、「良質な仕事の確保」(63%)が多かった。行政に対しては、「働きづらさを抱えた人の受け入れへの制度改定」(43%)、「社会保険加入など報酬制度への反映」(42%)を望む声が上がった。

 

 同日に会見した久保寺会長は賃金向上に向け、企業がA型事業所に仕事を発注した場合に発注企業の障害者雇用率をかさ上げする「みなし雇用制度」の導入が必要との認識を示した。また、岡山県倉敷市などで起きたA型事業所での大量解雇問題を念頭に、「今後質の高い働き方を実現するための基準を策定し、優良なA型事業所を適切に認定する方法も開発できれば」と語った。

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