乳幼児の手話教室が盛況 大阪府の条例が後押し

2017年1020 福祉新聞編集部
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いきいきと遊ぶ子どもたちに親は驚くという

 大阪聴力障害者協会(大竹浩司会長)が6月から大阪市内で始めた乳幼児手話教室「こめっこ」が盛況だ。日本財団の助成を得て月2回土曜日に開き、手話による絵本の読み聞かせや手遊びなどを行う。聴覚障害児が乳幼児期に手話と触れ合う機会は制度的に保障されていないため、近隣の府県から参加する親子もいる。

 

 「これは何かな」。同協会職員の久保沢寛ゆたかさんが拳で胸をたたき、しばらくしてゴリラのイラストを見せると子どもたちの歓声が湧く。手話教室と言いつつ手話を教える場面はあまりない。遊びの中で気持ちが通じ合って自然に手話を覚えれば、という感覚だ。

 

 教室は1回2時間半(無料)で、平均20組前後の親子が参加する。「こんなに明るい表情を家では見たことがない」と驚く親が多く、子どもの笑顔が家でも手話を使う動機付けになっている。

 

 9月中旬、生後3カ月の子を連れて初めて参加した夫婦は「『こめっこ』のことはインターネットで知った。これまでは途方に暮れていたが、ここで元気に遊んでいるお子さんを見ていると希望が持てる」と話す。

 

 同協会は大阪府が今年3月に制定した手話言語条例を背景に、府と協定を締結。「こめっこ」は府の協力を得て実施している。条例は5カ条で、最大の特長は乳幼児期から家族と共に手話を習得する機会を確保するよう府に義務付けた点だ。

 

 言葉は自然に覚えるのに手話はそうなっていない現状への強い問題意識が根底にある。それが条例第1条(目的)の「言語としての手話の認識の普及及び習得の機会の確保」の文言につながり、「こめっこ」につながった。

 

 府の障がい福祉室自立支援課は「こめっこ」について、「予想以上に多くの親子に来て頂いている」と評価。府内の特別支援学校や福祉の関係者と定期的な会議を開き、「こめっこ」のノウハウの共有を図っている。

 

 「こめっこ」アドバイザーの河﨑佳子・神戸大教授(臨床心理学)は「見学に来た療育施設や図書館の職員から『出張教室』を依頼されるほど周知が進んだ。今後は実践を研究につなげていく」としている。 

 

 

 

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