養成校で初のリフト研修 機器使いこなす介護福祉士に(長野・飯田女子短大)

2017年1025 福祉新聞編集部
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メーカーの指導を受け吊り具の装着方法を学ぶ学生(後右は小笠原教授)

 介護福祉士養成校では全国初となるリフトリーダー養成研修が9月14・15両日、長野県飯田市の飯田女子短大で開かれた。同短大はリフトや移乗ボード・シートを使いこなせる卒業生の養成を目指し、養成研修を授業として実施。介護現場にリフトなどの導入を促すだけでなく、介護福祉士養成カリキュラムのあり方にも一石を投じることになりそうだ。 

 

 学校法人高松学園(高松彰充理事長)が1967年に開校した、看護学科や幼児教育学科がある同短大。2000年に家政学科に生活福祉専攻(定員40人)を設置し、介護福祉士の養成を始めた。

 

 同短大では11年頃から、小笠原京子教授が「生活支援技術」のカリキュラムの移乗介護授業で、移乗ボード・シートを使った移乗技術を教えていた。それは「卒業生が腰痛で苦しまないようにしたい」という思いから始まった。

 

 以前の授業では、リフトや移乗ボード・シートを使った移乗技術を教えられる教員もおらず、機器を使った移乗方法があることを紹介するだけ。リフトは1台しかなく、ベッドは手動式、車いすもアームサポートが上がらないタイプばかりで、機器を活用した移乗技術を教える環境もなかった。

 

 「腰痛にならない移乗技術を教えなくてはいけない。それは利用者の安全・安楽な移乗にもつながる」。そう考えた小笠原教授は、移乗介護の授業で15コマ(1コマ90分)を確保。移乗ボード・シートを使った移乗技術を教え始めた。

 

 そして15年には「最新の機器を使って負担の少ない介護を学ぶ」ことを同短大の特色に掲げ、床走行式やベッド据置式などタイプやメーカーが違うリフト5台、電動式3モーターベッド8台、アームサポートが上がる車いすなどを整備。学生がいつでも機器を使える環境を整えた。また、学生に教えられるように、小笠原教授がテクノエイド協会主催の養成研修を受講した。

 

メーカーも協力

 

 同短大と同協会の共催で開いた養成研修には2年生22人や卒業生、教員など26人が参加。初日は「腰痛の原因と対策」などの知識を講座方式で学び、2日目は5~6人のグループに分かれ、6種類のリフトの操作方法や吊り具の装着の仕方などの実技を学んだ。

 

 実技指導をしたのは、福祉用具プランナー管理指導者の資格を持つ武田英敏・介護センター花岡伊那支店長と、派遣要請を受けたJASPA介護リフト普及協会に加盟するメーカーの社員たち。学生は養成研修が2単位(移乗介護15コマのうち8コマ分)になることもあり、真剣な表情でリフトの操作方法などを学んでいた。

 

 移乗介護の残り7コマ分は、10月から始まった施設実習などで認定されるが、同短大では、リフトやボードを使っている実習先には学生にも使わせてくれるよう依頼。実習先で使えるように小笠原教授自らがロール生地から移乗シートを作り、学生に贈るという。

 

 「生活福祉専攻の教員6人中5人が養成研修を受講した。リフトなどの機器がここまでそろった養成校は他にない。腰痛予防も大切だが、一番は利用者が安全・安楽に移乗できること。そのためにも学生全員が卒業までにリフトなどを使いこなせるようにしたい」と小笠原教授は話す。

 

 機器を使った移乗技術を学んだ卒業生が増えれば、施設の移乗介護は変わる。その技術を生かせるような環境を各施設が整えること、同様の取り組みを全国の養成校に広げることが大切だ。

 

 

 

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