<保育新時代>ICT化で保育の質も向上

2017年1101 福祉新聞編集部
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 保育園や幼稚園の現場でも、業務負担の軽減のためICT(情報通信技術)化が進みつつあります。

 

 例えば、園児の登降園の記録です。バーコードを利用してクラスの出欠状況やアレルギー児の把握が即座に確認できれば、調理室への口頭連絡の手間が省けます。睡眠や健康管理についても保育者間の引き継ぎ時間が短縮できます。

 

 また、お金や時間の管理もあります。延長保育や預かり保育の保育料計算や、職員の出退勤管理も簡単です。

 

 年単位で繰り返される園行事は、過去のデータをすぐに参照できます。現状にふさわしいPDCAサイクルが可能になり、職員の自己評価も行いやすくなります。

 

 個人記録の基礎データは一元管理できるため、複数の資料に同じデータを何度も書く必要がなくなりました。

 

 メールの一斉配信も活用している施設は多いと思います。近い将来には、撮影した写真に音声認識ソフトを使ってメッセージを付けることも可能になるでしょう。

 

 以上のようにICT化は保護者に正しい情報を的確に伝えられ、園に対する評価も高くなるのです。ただ、保育の質向上につながらなければ意味がありません。先輩の技術を見て盗むという指導では多くの職員の技能向上は望めないのです。

 

 ベテラン保育士の観察力や記録をほかの職員も見られるのが利点です。つまり、子どもの言葉・表情・行動の変化について、何を見つけてどう記録するかが問われるということです。ベテランと新人では観点も記録の書き方も違います。主任保育士は自分が身に付けた保育技能を発揮するだけでなく、その技能を園全体で共有し、新人の育成に役立てることが必要となります。

 

 そのためにも保育者として「伝えるための言葉」を磨き、どのようなシステムの中でも質の高い保育ができるように努めましょう。

 

 

ほうりん福祉会が運営する幼保連携型

認定こども園「寺子屋大の木」の様子

 

 

【寺田清美教授略歴】東京成徳短期大学教授。保育歴26年(係長副園長)の経験もあり、社会福祉士の資格も持つ。厚生労働省の社会保障審議会保育専門委員会委員も務めている。

 

 

 

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