地域で活躍できるソーシャルワーカー養成しよう 実習で社福法人に期待

2017年1114 福祉新聞編集部
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SW養成の実習について話す白澤会長(右端)

 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連、白澤政和会長)は4・5両日、札幌市内で地域共生をテーマとした全国社会福祉教育セミナーを開き、大学の教員ら約220人が参加した。白澤会長は厚生労働省が提唱する「我が事・丸ごと地域共生社会」とソーシャルワーク、社会福祉法人による公益的な取り組みが相互に関係するとし、個別支援だけでなく地域住民の活動も支援できるソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士、以下SW)の養成が必要だとの見解を表明した。

 

 「社会福祉法人の皆様にお願いしたい」。社会福祉法人経営者が登壇した5日午前の分科会で白澤会長はこう切り出した。

 

 お願いとはSWの実習について(1)社会福祉法人による公益的な取り組みに位置付ける(2)施設入所者など個人への支援(個別支援)に加え、地域住民らによる生活課題解決への支援(地域支援)も実習内容とする――の2点だ。

 

 16年3月に成立した改正社会福祉法は、「公益的な取り組み」を社会福祉法人の責務と規定(第24条2項)。白澤会長は地域支援のできるSWを養成することは「公益的な取り組み」に該当し、法人やその所在する地域にも有益だと唱えた。

 

 厚労省が16年7月に打ち出した「我が事・丸ごと地域共生社会」の実現に向け、今年5月に成立した改正社会福祉法とも整合するとみる。

 

 これに対し、山本たつ子・社会福祉法人天竜厚生会理事長(静岡県)は「個別支援、家族支援、地域支援のできる人材がいないと公益的な取り組みはできない」と応じた。湯川智美・社会福祉法人六親会常務理事(千葉県)は、法人職員が養成校の非常勤講師などを兼業し、外の世界を見ることを奨励しているとした。

 

 また、同日は「我が事・丸ごと地域共生社会」を具現化するための厚労省検討会で座長を務めた原田正樹・日本福祉大教授が、検討会の最終報告(今年9月)が描くSW像について講演した。

 

 原田教授は、支援を必要とする人の「社会からの孤立」に着目し、SWが社会モデル(障害は個人ではなく社会の側にあるとする視点)のアセスメント力を持つことが重要だとした。

 

 社会福祉士をめぐり、厚労省は現在のカリキュラムを改正し、20年度にも新カリキュラムを導入する方針。柴田拓己・厚労省福祉人材確保対策室長が同日、「我が事・丸ごと地域共生社会」との関連を解説しながらその経緯を説明した。

 

 

〔ことば〕

 我が事・丸ごと地域共生社会=地域住民(社会福祉法人など事業者を含む)が生活課題の解決を図る体制、専門職による包括的な相談支援体制をつくることなどを掲げた構想。それを具現化するための改正社会福祉法が今年5月に成立した。同法は「包括的な支援体制の整備」(第106条の3)を市町村の努力義務とし、公布後3年をめどとした見直し規定を盛り込んだ。

 

 

 

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