障害サービスの収支差率5.9%に下降 就労A、Bは上昇

2017年1120 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は10日、障害福祉サービス事業所の収支状況などを調べた「2017年障害福祉サービス等経営実態調査」の結果を発表した。事業所の収支差率は平均で5・9%。14年の前回調査に比べ3・7ポイント下がった。療養介護など大多数のサービスで下がった。一方、就労継続支援A型(14・2%)などは上昇し、全体の収支差率が他産業に比べて依然高いと指摘される要因となっている。収支差率が高いと経営に余裕があるとみなされ、報酬引き下げの理由となる可能性がある。

 

 調査結果は、18年度障害報酬改定に向けて議論する同日の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」に示された。

 

 調査は今年5月に実施。16年度決算について1万7439事業所を対象とし、8993事業所から有効回答を得た(有効回答率は51・6%で、前回調査より18ポイント上昇)。

 

 平均収支差率が前回調査よりも下がった要因として、収入に対する給与費の比率が64・4%(前回調査時は61・1%)に上昇したことがある。

 

 15年度の報酬改定は職員の処遇改善加算分を拡充する一方で基本報酬を引き下げ、トータルで0%改定となった。基本報酬の引き下げ分が効いた結果、今回は収支差率が下がったとみられる。

 

 収支差率が上がった就労A型とB型では、給与費比率が前回調査よりも下がっている。一方、収支差率が下がったサービス(療養介護など)では給与費比率は上がった。

 

 16年度1年分の給与額をみると、施設長・管理者は常勤の場合、全サービス平均で約521万円。サービス種類別でみると、就労A型と放課後等デイサービスだけが400万円を下回った。

 

 利用者に最低賃金以上を支払わなければならないA型では、生産活動で得た収入から利用者に賃金を支払うことが原則だが、生産活動収入だけでは賄いきれない実態がある。

 

 そこで職員の給与を抑えて一定の収支差額を生み出し、利用者の賃金に充当する不適切な運用が「全体の7割程度はある」(厚労省)とみられている。

 

 就労継続支援A型事業所全国協議会の久保寺一男理事長は本紙の取材に対し、「A型事業所のうち、適正に運営している事業所を認定する仕組みが必要だ。本協議会としても検討している」と話した。

 

 

 

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