介護保険の生活援助、給付抑制へ 頻回利用をチェック

2017年1205 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
年末に向け頻繁に開催される介護給付費分科会

 厚生労働省は2018年度介護報酬改定に向け、掃除や洗濯などの生活援助を中心とする訪問介護について、18年10月から利用回数の多いケアプランをケアマネジャーが市町村に届け出て、市町村が地域ケア会議などで内容を検証する仕組みを設ける方針を固めた。11月22日に開いた社会保障審議会介護給付費分科会に示した。

 

 財務省が「月100回以上の利用もあり、適切な利用を徹底すべき」として導入を求めていたもので、介護給付費の抑制につなげる狙いがある。

 

 届け出の範囲は、生活援助の利用が通常と著しく異なるものとして「全国平均利用回数+2標準偏差」を超える場合とした。16年10月時点で推計すると生活援助全体の4・8%にあたる約2万4000件が該当する。正式な基準は要介護度別に18年4月に示され、同10月から施行される。

 

 市町村の検証にバラツキが出ないよう、ケアプラン点検支援マニュアルを改訂する。検証で不適切とされた場合は利用者の自立支援などの観点からサービスの是正を促す。

 

 厚労省は「統計的に外れ値になるケースについて個々のケアマネジャーの判断だけでなく多職種できちんと検証し、ケアマネジャーを支援する」と説明している。

 

居宅介護支援は医療と連携強化

 

 居宅介護支援については医療との連携を強化する。入院時情報連携加算は入院後3日以内に利用者の情報を病院に提供した場合に手厚い報酬をつける。退院・退所加算は初回のケアプラン作成や病院との連携回数などを評価して充実させる。

 

 ケアマネジメントの公正中立を確保するため、特定事業所集中減算の対象は訪問介護、通所介護、福祉用具貸与に見直す。請求の少ないサービスや医師の指示で事業所が決まる医療系サービスは対象から外す。また利用者は複数の居宅サービス事業所を紹介してもらえ、その事業所を選んだ理由を聞くことができるとし、そうした説明をしない場合は運営基準減算を適用する。

 

 そのほか事業所の管理者は21年4月から主任ケアマネジャーに限定することや、他法人の事業所と共同で研修会を開催することなどを特定事業所加算の要件に加えることなども示した。

 

介護医療院で基準案

 

 介護療養病床の転換先として18年4月に新設される介護医療院の人員・施設基準や報酬の案も示した。

 

 重篤な身体疾患のある人などを受け入れるI型は、利用者と医師の配置は48対1、看護職員は6対1、介護職員は5対1。容体が比較的安定した人を受け入れるⅡ型は、医師は100対1、看護・介護職員は各6対1。

 

 生活施設としての機能を持たせるため、1室当たり定員4人以下、1人当たり床面積を8平方メートル以上とし、多床室の場合はプライバシーに配慮する。またレクリエーションルームを設ける。

 

 基本報酬はⅠ型は介護療養病床、Ⅱ型は老人保健施設の基準を参考に一定の医療処置や重度者要件などを設けてメリハリをつける。

 

 転換期限は23年度末だが、転換した日から1年間算定できる加算を21年度末まで設ける。大規模改修するまでは床面積や廊下幅などの基準を緩和する。

 

 老人保健施設は在宅復帰・在宅療養支援をさらに進めるため報酬を見直す。

 

 在宅復帰率などが高い「在宅強化型」のうち、より進んで取り組んでいる施設を手厚く評価する。在宅復帰・在宅療養支援の評価指標に、新たに入所後の取り組みやリハビリ専門職の配置などを加え、きめ細かく評価する。「従来型」も機能に応じて報酬にメリハリをつける。

 

 また多剤投薬されている利用者の処方をかかりつけ医と合意の上で減薬した場合を評価する。

 

 

 

(福祉関連書籍)

 

注文をまちがえる料理店
小国 士朗
あさ出版 (2017-11-10)
売り上げランキング: 10,801

 

目で見てわかる最新介護術
北田 信一
成美堂出版
売り上げランキング: 3,403

 

介護福祉士国家試験受験ワークブック2018上
中央法規出版
売り上げランキング: 9,350
    • このエントリーをはてなブックマークに追加