食事提供加算を廃止へ 障害報酬改定で厚労省方針

2017年1204 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は11月27日、2018年度障害報酬改定に関連し、18年3月末で終わる「食事提供体制加算」を延長しない考えを同日の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」に示した。低所得者の食費負担を軽減するため障害者自立支援法施行時に経過措置として設け、延長を重ねてきたが、施行から10年たったことなどを踏まえ廃止に踏み切る意向だ。障害関係団体の間では継続を求める声が強く、検討チーム委員からも「一律に加算をなくすのは無理ではないか」とする意見が複数上がった。  

 

 制度創設時に大論争となった「利用者負担の重さ」に関係しかねないだけに、年末にかけて激しい攻防になりそうだ。改定の詳細は年明けに固まる。

 

 食事提供体制加算は、就労継続支援事業など日中活動系サービスや短期入所の利用者に対し、調理して食事を提供する場合の人件費分を報酬として算定するもの。

 

 日中活動系サービスの場合、現在の加算額は1日300円で、所得の低い利用者は食材料費のみの負担で済んでいる。加算が廃止されると、事業所の収入が減る(例・1カ月22日使う人の場合は6600円減)。

 

 減った分をすべて利用者に負担してもらうのは現実的ではないため、事業所が他から補てんしたり食事提供をやめたりすることが予想される。

 

 利用者に負担を転嫁する事業所では、負担増を苦に利用控えが生じる可能性もある。

 

 加算の算定状況(16年12月提供分)をサービス別にみると、生活介護では約7割の事業所が算定し、金額は計5億7000万円に上る。就労継続支援B型では半数の事業所が算定し、金額は計5億3000万円。

 

 加算廃止による影響は相当大きいと見込まれるが、合計でどの程度の費用削減になり、何人の利用者に影響するかについて厚労省は明示しなかった。

 

 同日はこのほか、報酬改定の多くの論点とそれらへの対応案が示された。

 

 人件費の高い地域の事業所に報酬(原則1単位10円で計算)を上乗せするための「地域区分」も見直す。

 

 障害者サービスは現在、全市町村(1741)が7区分(上乗せ割合0~18%)に分かれているが、これを介護保険に合わせて8区分(同0~20%)に改める。激変を緩和する経過措置は設ける。現行ルールを前提に振り分けると、区分(上乗せ割合)が上がる市町村数は139、下がるのは114。

 

 障害児サービスは現在8区分で介護保険と同じだが、どの区分にどの市町村が該当するかが介護保険とは異なるため、今回の見直しでそろえる。こちらも経過措置は設けるが、区分(上乗せ割合)が上がる市町村数は130、下がるのは89になる見込みだ。

 

その他の見直しの方向性

 

 ◆居宅介護▽居宅介護事業所と同一建物に住む人にサービス提供する場合の減算を介護保険にならって検討する▽居宅介護職員初任者研修課程修了者がサービス提供責任者になる取り扱いについて、段階的に廃止する方向で検討する▽家事援助中心の居宅介護を行う場合の人員配置基準は緩和しない

 

 ◆サービス提供職員欠如減算、サービス管理責任者欠如減算、個別支援計画未作成減算(いずれも減算適用後2カ月目までは報酬額の3割を減算)は、減算適用後3カ月目から5割減算とする

 

 ◆送迎加算▽生活介護などに通う際の送迎加算1.と2.を引き下げ、生活介護の重度利用者の単価は引き上げる▽短期入所の送迎加算は見直さない▽就労継続支援A型、放課後等デイサービスは一部の例外を除き送迎加算の対象外とする▽同一敷地内の送迎加算は単価を引き下げる

 

 ◆心神喪失者等医療観察法対象者▽就労系サービス事業所での受け入れを促すため、精神保健福祉士が1日2時間以上支援した場合の加算を創設する

 

 ◆公立施設減算▽障害報酬とは別に公費投入される公立施設(指定管理施設を含む)には報酬減算があり、その見直しを求める声があるが、減算は維持する

 

 

 

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