視覚障害の認定基準見直しへ 良い方の目で判断

2018年0123 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は15日、視覚障害の認定基準を見直す方針を固めた。視力については現在、両目の合計で身体障害者手帳の等級を認定しているが、良い方の目をもとに判断するよう改める。意見募集や周知期間を経て、18年中に身体障害者福祉法施行規則(省令)を改正する。視覚障害の認定基準の改正は1995年以来。 

 

 同日の「疾病・障害認定審査会身体障害認定分科会」(座長=中村耕三・東京大名誉教授)に案を示し、了承された。

 

 現在、1級の認定基準は「両目の視力の和が0・01以下」とされているが、これを「良い方の視力が0・01以下」に改める。他の等級も同様に改める。新しい基準はこれから認定を受ける人に適用される。

 

 進行性の病気による視覚障害者の場合は障害者手帳を更新するが、「更新時に、新基準で認定することが理由で等級が下がる人は生じない」(障害保健福祉部企画課)という。

 

 視野については対象物の中心が見えにくい「中心暗点」も認定基準に反映する。現在使用される「ゴールドマン視野計」だけでなく、より普及している「自動視野計」を用いた基準も盛り込んだ。

 

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 今回は身体障害者福祉法の改正には踏み込まないが、より抜本的な改正を見据えた調査研究に着手することは合意された。

 

 厚労省は、医学モデルだけでなく社会モデルに基づいて、日常生活での見えにくさを反映する手法を開発する方針。研究会を設けて、海外の事例も参考に数年間かけて研究する。

 

 障害者手帳を持つ視覚障害者は2016年度末時点で33万7997人。等級は視力や視野の状況によって重い方から1~6級に区分され、1級(約11万人)と2級(約10万人)が多い。1級、2級が重度とされ、税制や福祉的なサービスの利用などでメリットがある。

 

 日本盲人会連合は「良い方の目の視力で認定することは私たち視覚障害者が求めてきたことだ。今回の改正を歓迎する。今後、新しい基準作りに向けた研究会が設置される。これまで救済されなかった当事者の声が反映されるよう望む」(工藤正一総合相談室長)としている。

 

見直しのポイント

●視力については、両目ではなく良い方の目の視力で認定する

●視野については、対象物の真ん中が見えにくいこと(中心暗点)も考慮する
●「自動視野計」による認定基準を新たに設ける
●視力、視野だけでなく「見えづらさ」を反映する方法を今後検討する

 

 

 

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