無料低額診療を広めよう MSWら研究フォーラム

2018年0209 福祉新聞編集部
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会場の医師からも意見が出された

 医療機関での窓口負担を減免する無料低額診療(無低)を広く知ってもらおうと、近畿圏の医療ソーシャルワーカー(MSW)らによる「無料低額診療事業近畿研究会」(代表=吉永純・花園大教授)が2016年の7月から研究を続けている。1月14日に大阪市内で開いたフォーラムには、済生会など社会福祉法人職員ら約130人が参加した。

 

 同日、17年11~12月に近畿6府県の各病院の無低事業に実施したアンケートの結果(53施設が回答)を公表した。それによると、無低の対象者をどう選びどの程度免除するか(全額、半額、一部)については、「生活保護の基準の1・6倍以下の収入の人に一部免除する」が15施設(68%)で最も多かった。

 

 無低とは、生計困難な人が必要な医療を受けられるよう医療機関ごとの基準により窓口負担を減免するもので、第2種社会福祉事業に位置付けられている。MSWの配置など所定の要件を満たした上で都道府県などに届け出る必要がある。

 

 厚生労働省の調べでは16年度に647施設あり、利用患者数は777万人。減免分に公費の補てんはなく、その分は施設の負担になるが、医療法人などは無低を実施することにより固定資産税が減免される。

 

 運用の実態が明かされることは「あまりない」(吉永教授)。受診を機にMSWが患者の生活支援にかかわることで生活の立て直しにつながることもあるが、そうした事例は埋もれがちだという。

 

 そこで、フォーラムでは1952年から無低を実施する社会福祉法人竹井病院(東大阪市)の社会福祉士・岸根亜依子さんが、大阪府の社会福祉法人による総合相談事業と連動して無低を利用した軽度知的障害の男性の事例を報告した。

 

 腹痛を我慢して受診を控え、買い物などによる債務・滞納があるといった男性の生活環境を改善できたとし、「最近は無低をネットで調べて来る人もいるが、まだ制度が知られていない」と話した。
     

 

 

 

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