本格的な和紙製品を作る障害者施設 小学校の卒業証書にも(群馬)

2018年0302 福祉新聞編集部
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根岸さんのサポートを受け紙をすく利用者

 群馬県昭和村の社会福祉法人昭和ゆたか会の障害者施設「星せい夜やの杜学舎」(大竹繁施設長)は、本格的な和紙製品を作る一方、小学生などが紙すき体験できる県内唯一の場となっている。

 

 同学舎は、生活介護(定員20人)と就労継続B型事業(13人)からなる多機能型施設。ほぼ全員が知的障害者で、半数が自閉症を併せ持つ。

 

 日中活動は、農作業や和紙作り、下請け作業などの就労支援が中心で、平均月額工賃は生活介護1万8000円、B型2万6000円。

 

 「和紙作りは工程が多く、個々に合った作業が提供できる。やるなら本物の和紙を」という大竹施設長の思いで、2003年の開所時に開始。材料のコウゾを植え、新潟県から職人を招き技術を学び、その後は職員が研さんを重ねた。

 

 当初は、コウゾを煮込んで柔らかくする作業もしていたが手間がかかるため、現在は煮込み後のコウゾを仕入れ紙すきしている。

 

 開所時より重度・重複の利用者が増えたこともあり、紙すきができるのは2人。賞状用紙など緻密さが求められる製品は難しいが、封筒など加工製品用の紙すきを担当する。

 

 

 

 和紙は乾燥後、B5判(55~145円)からB3判(200~400円)まで裁断。デザインプリント後に柄ハガキ(120円)、封筒(130円)、ポチ袋(2枚170円)などに加工し販売する。埼玉県内の和紙専門店などに卸すほか、同村の写真コンテストの賞状にも使われ年間収益は約50万円。

 

 主任支援員の根岸広和さんは「和紙は農作業ができない冬場の貴重な収入源だが、市場規模が縮小傾向で工賃増までは期待できない」と話す。それでも続けるのは、近隣小学校の6年生が体験に来て自分の卒業証書用紙をすいたり、特別支援学校から講師を依頼されたり、地域に役立っているからだ。「社会資源として学舎を使ってくれたらうれしい。法人の地域貢献活動にもなる」と根岸さんは話している。

 

 

 

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