民法改正で成人年齢18歳に 福祉関係への影響は?

2018年0319 福祉新聞編集部
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 政府は13日の閣議で、民事関連の法案を3本決定した。「民法改正案」では成人年齢を20歳から18歳に引き下げる。飲酒や喫煙の禁止年齢を20歳未満に据え置くなどの関連法(22本)と一括して改正する。今国会で成立すれば2022年4月1日に施行される。年齢引き下げは明治時代以来の「大人」の定義を変える大改革だ。

 

 引き下げにより、18、19歳でも経済的に自立していれば法定代理人の親らの同意なくクレジットカードなどの契約が可能となる。若者の消費者トラブル増加が懸念されるため、政府は不当な契約を取り消せる規定を追加した消費者契約法改正案を提出している。

 

 女性の結婚開始年齢は現行の16歳から18歳に引き上げ、男女で統一する。

 

 少年法に関しては、政府・与党内で適用年齢の上限を「18歳未満」に引き下げることに賛否両論がある。法制審議会(法相の諮問機関)が引き続き議論する。 このほか、公職選挙法も改正対象となり、その結果、民生委員になれる年齢が現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられる。社会福祉法の社会福祉主事の規定は、現行の「年齢20年以上」を「年齢18年以上」に改める。

 

 児童福祉法では小児慢性特定疾病医療費に関連し、18歳以上は保護者ではなく本人が受給する旨の規定を新設する。児童養護施設などで措置延長となった人も成人になるので、その監護者に関係する児童虐待防止法の規定を削る。

 

 二つ目の法案は「民法及び家事事件手続法の一部改正法案」だ。相続時の遺産分割で配偶者を優遇する。高齢化社会の進展に伴い、残された配偶者の生活を安定させるため、自宅退去を迫られないようにすることなどが柱だ。成立すれば、施行は一部を除いて公布日から1年以内。

 

 具体的には、配偶者の生活が困窮することを防ぐため、結婚20年以上の夫婦では、生前や遺言で与えられた住宅は遺産分割の計算対象から外す。

 

 遺産分割の選択肢の一つとして、残された配偶者が一生住むことのできる「長期居住権」も設定。居住権は売買できない制約があるため、住宅の評価額が下がる。

 

 また、相続人以外の人の貢献を考慮する制度も創設する。被相続人に対して無償で看病や介護した人が、相続人に金銭の支払いを請求できるようにする。

 

 三つ目の法案は「成年被後見人の権利制限適正化法案」だ。成年後見制度を利用すると同時に失職したり、資格取り消しとなったりする「欠格条項」を廃止する。

 

 改正の適用対象となる法律は、国家公務員法や医師法など188本。これらの法律では現状、被後見人は一律に職務不適格者とされるため、成年後見制度の利用をためらう要因となっている。実際に職を失った公務員が憲法違反だとして地位確認を求める訴訟を起こした事例もある。 

 

 また、面接などにより、制度利用者それぞれの心身の状況に応じて、職務に必要な能力の有無を判断する個別審査規定を新設する。

 

 松山政司・1億総活躍担当相は閣議後の記者会見で「制度利用者の人権が尊重され、不当に差別が行われないようにする」と述べた。

 

 

 

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