「全国の職業能力開発校のモデルに」 精神障害者の訓練拡充で新校舎

2018年0507 福祉新聞編集部
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生徒にコーヒーを運んでもらった小池知事

 国立の施設として東京都が運営する東京障害者職業能力開発校(東京都小平市)の新校舎がこのほど完成し、4月18日に落成記念式典が開かれた。厚生労働省は精神障害者や発達障害者の受け入れを拡充する方針で、同校を「全国の職業能力開発校のモデルにする」と位置づけている。

 

 式典で小池百合子・都知事は「都としてカリキュラムを改正した。グループワークを導入し、職場定着のサポート体制も充実した。温かい見守りの目でこの施設を運営したい」とあいさつ。式典後は校内の模擬喫茶店などを視察し、生徒に「自信を持って頑張ってください」などと声を掛けた。

 

 同校の訓練科目は12科あり、年間定員は260人。身体障害者のみ受け入れていた科を刷新し、10科で精神障害者、発達障害者の入校を可能とした。

 

 今年4月に入校した90人のうち精神障害者と発達障害者は約4割。同校は日常生活を見守る生活指導相談員や、就職後の定着を支える職員をそれぞれ2人増員して対応する。

 

 職業能力開発校の間では精神障害者、発達障害者は集団での訓練になじまないとの見方があるが、同校は「少しずつ受け入れを重ね、ノウハウを蓄積してきた」(米澤義正校長)という。

 

 新校舎は2階建てで延べ床面積は約7200平方メートル。工事費は28億円で全額国が負担した。2018年度の運営費予算は約6億2000万円(国と都が負担)。これまでの定員充足率は約6割、就職率は約8割で推移していた。

 

 同校は1948年に発足し、80年に校舎を改築。法改正に伴い、93年に現在の名称になった。入校時期は一部の科では年4回あり、今年7月の入校生は5月25日まで募集している。訓練期間は科によって3カ月、半年、1年と異なる。

 

 敷地内に寮(全室個室で家賃・光熱水費は無料。食事提供はなし)を24人分新設したが、入れるのは身体障害者のみ。「夜間に精神障害者や知的障害者が落ち着かなくなったら対応が難しいため」(教務課)という。

 

 職業能力開発校は職業能力開発促進法に基づくもので、授業料は無料。条件を満たした生徒は訓練手当などを受給しながら学べる。一般校(国立57校、都道府県立150校)、一般校に通うのが難しい障害者向けの障害校(国立・県立で計18校)がある。

 

 障害校の14年度の入校者1437人の半数は身体障害者で、精神障害者は18%と少ない。厚労省は精神障害者、発達障害者の求職が増えている現状を踏まえ、16年8月、障害校での受け入れを促す方針を検討会報告書にまとめた。

 

 厚労省は同校について式典で「他の障害校に先駆けて、精神障害者、発達障害者の訓練の実施・強化に応えられる施設として運営することが可能になった」(加藤勝信大臣)とのメッセージを発表した。

 

 

 

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