カジノ法案 児童養護施設などが反対 「成育環境が劣悪になる恐れ」

2018年0521 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
日比谷公園から国会に向かってデモ行進した

 政府が4月27日に閣議決定した、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)実施法案に対し、反対する動きが広がっている。5月9日には日本弁護士連合会が国会周辺でデモ行進した。カジノ設置の候補地を持つ北海道では、児童養護施設協議会が反対を表明。ギャンブル依存症患者の増加を危ぶむ声はかねてあったが、子どもの成育に飛び火しかねない問題だとする見方が浮上した。

 

 北海道では釧路市、苫小牧市などがカジノ候補地となっている。それを受けて今年3月、道内の保健や児童福祉関係8団体が道知事にカジノ誘致反対の声明を提出。「家庭が崩壊し、子どもの育つ環境が益々劣悪になる恐れがある」とした。

 

 法案の閣議決定を受け、8団体の一つ、道児童養護施設協議会の高橋一彦会長(岩内厚生園施設長)は本紙の取材に「親から子どもへの虐待ではネグレクト(育児放棄)が最も多い。施設が家庭復帰に向けて努力しても、親がカジノにのめりこんだらどうしようもない」と話した。

 

 IR法案の正式名は「特定複合観光施設区域整備法案」。全国で3カ所までカジノの設置を認め、日本人客から入場料として1回6000円を徴収する。政府は海外からの観光客誘致の目玉とする。日本人客はマイナンバーカードで本人確認した上で、入場回数を週3回、月10回までに制限。20歳未満や暴力団員も入場を禁じる。 

 

 事業者がカジノを運営するには国の免許が必要で、内閣府に新設する委員会が審査する。事業者のカジノ収入の30%は納付金として国と立地自治体の収入となり、観光や地域振興などに充てる。 

 

 日弁連は4月27日、法案について、「ギャンブル依存症拡大などの弊害が除去されていない。7日間に3回も入場すれば既に入り浸っている。入場料6000円という規制も世界最高水準とは言えない」とし、廃案を求める声明を発表した。

 

 与党はIR法案の前に、議員立法として国会に提出されたギャンブル依存症対策法案を先行して成立させる方針。5月16日には依存症対策法案の修正案を提出した。

 

 

 

(福祉関連書籍)

 

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。
イースト・プレス (2017-12-07)
売り上げランキング: 1,007

 

子どもの貧困と食格差 : お腹いっぱい食べさせたい
大月書店 (2018-04-15)
売り上げランキング: 2,020

 

ルポ 児童相談所 (朝日新書)
大久保真紀
朝日新聞出版
売り上げランキング: 3,384
    • このエントリーをはてなブックマークに追加