スギナ玄米茶どうぞ 農福連携で6次産業化(三重)

2018年0528 福祉新聞編集部
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束にしたスギナを干す利用者ら

 津市榊原町で農福連携に取り組む就労継続支援B型事業所「スマイルコーン」を運営する一般社団法人「一志パラサポート協会」(大窪久美子理事長)が商品化したスギナ玄米茶の事業計画が、6次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画に認定された。

 

 農林漁業者が作成した、生産から加工、販売までを一体的に行う「6次産業化」の事業計画を農林水産大臣が認めるもので、補助金や専門家のサポートが受けられる。

 

 同町でイチジク農園などを営み、障害者に農業技術を指導する川原田憲夫さん(74)は60歳の時、脊髄に菌が入ったことで足が不自由となり、車いす生活を余儀なくされた。2011年ごろから、地元の特別支援学校の農業研修生を受け入れ、除草作業を見守る中、「かれらは農業で立派な働き手になれる」と確信。大窪理事長らと同協会を14年に立ち上げ、15年2月に「スマイルコーン」を開所した。

 

 農地が広がる自然豊かな同町の一角にある築100年を超す古民家に、18歳から54歳までの知的、精神障害者13人が通所し、農作業に励んでいる。

 

 農薬は一切使用せず、季節の野菜や綿、スギナやドクダミといった野草など多彩な作物を生産する。

 

 川原田さんが管理する農園など約32アールの農地が主な作業場。種まきや田植え、果樹栽培、除草、野草の収穫・加工など、季節や天候、利用者の特性、体調を判断し、2、3グループに分かれて作業を行う。

 

 スギナは、川原田さんのイチジク農園に自生していたもので、現在はハウス内で本格的に栽培している。有効活用できないかと16年から試作を重ね、2年間の開発期間を経て、スギナ玄米茶を完成させた。

 

 スギナ独特のえぐみを抑えるため、川原田さんの農園でとれた玄米を混ぜ、まろやかに仕上げた。スギナの乾燥作業から手もみ、パック詰め、販売所への持ち込みまでの一連の工程を障害者らが手掛ける。6月から津市内の産直場などで1袋税抜き800円で販売する。5年後には年間1500袋の販売を目指す。

 

商品を手にする川原田さん

 

 川原田さんは「皆の頑張り、取り組みを多くの人に知ってもらいたい。6次化で収益が上がれば工賃が上げられる」と期待を寄せる。スマイルコーンの平均工賃の月額は約1万2000円。4年後には全国平均まで引き上げたい考えだ。

 

 今後は、地域の文化保全も見据える。背景には、休耕田や荒れた耕作放棄地の増加が全国的に問題になっており、同町も例外とはいえない現状がある。
 休耕地を引き受け、手間がかからないクルミやギンナンを栽培して、農業活動の幅を広げたい――。

 

 川原田さんの頭の中には、多くの構想が飛び交う。「自分もまだ役に立てる。こんなこともできるんだという思いを渡してあげたい」と笑顔で話した。

 

 

 

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