もっと視覚障害者にガイドヘルパーを NPOが無料養成研修(福島)

2018年0608 福祉新聞編集部
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視覚障害者と共に実習(南相馬市で今年4月)

 もっとガイドヘルパーをーー。目の不自由な人たちの声を受け、福島県南相馬市のNPO法人「あさがお」(西みよ子理事長)は初めて無料の「同行援護従事者養成研修」を開いた。受講した32人全員が修了、東日本大震災の被災地などで活動に入る。

 

 受けたのは福島県浜通り(相双地区)の南相馬市、相馬市のほか、いわき市に住む18歳から65歳まで男性3人、女性29人。障害者総合支援法で今年度から介護事業所のサービス提供責任者も研修で資格取得を義務付けられたこともあり、事業所関係者は19人と多かった一方、ボランティアを志す個人参加も13人に上った。

 

 研修は一般と応用の2課程ある。両コース計6回32時間の講義、実習を南相馬市原町区の福祉会館で4月にこなした。実習には福島県視覚障がい者福祉協会相双支部のメンバー(視覚障害者)が協力、共に屋外を歩いた。

 

 民間の養成機関では4万~5万円の受講料がかかる。今回は「パブリックリソース財団」(東京)の助成金(ふくしま未来基金)を充て、受講料を無料にした。

 

 福島県内の同行援護サービスについて、講師を務めた中村雅彦・同県点字図書館長は、「サービスを提供していない町村もあり、行政側の理解は十分とは言えない。事業所ももう少し必要」と言う。その上で、「従来、研修参加者は事業所が中心だった。これだけ個人参加があるのは、とても珍しい」と評価している。

 

 もともと浜通りにはガイドヘルパー、事業所とも多くはなかった。特に東日本大震災後、事務所を閉じたり、給付費用の安さや人材不足ゆえ同行援護事業を扱う事業所が減少。西理事長は「被災地へ帰還しだした障害者から要望や抗議が相次いだ。東京などから来たボランティアの情報も刺激になった」とし、「今回定員オーバーで受講できなかった人もおり、できたらもう1回、研修会を開きたい」と話している。

 

 避難指示が解除されて南相馬市小高区へ戻った中途失明の女性は、「以前あった住宅や店の場所が更地になり、声を掛けてくれる人もおらず、なかなか1人で歩けない。ガイドヘルパーは都市部では多いと被災地を訪れるボランティアらから聞き、増員を市へ要望していた。点字投票もこの1月の市長選からきちんとやれるようになったが、やはり当事者の意見が大切」と歓迎している。

 

 

 

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