北海道産豚肉のソーセージ 障害事業所で手作り、35年間も人気
2018年06月20日 福祉新聞編集部
北海道仁木町の就労継続支援B型事業所「陽だまり」(小菅敦施設長)は、道産豚肉を使ったソーセージや、秘伝のタレに漬け込んだジンギスカンを作っている。手作り、無添加にこだわった製品は、1983年の製造開始から35年間、変わらぬ人気を博している。
陽だまりは、社会福祉法人後志報恩会が運営する障害者施設銀山学園と大江学園の就労部門を統合する形で2003年に開所。両施設で行っていた食品加工作業を引き継いだ。
ソーセージは銀山学園で育てていた黒豚に付加価値を付けようと、ジンギスカンは町特産のリンゴを生かした製品を作ろうと、始まった。その後、大江学園開所にあわせて食品加工部門を充実。化学調味料などを使わず手作りするようになった。
製造しているのは、ジンギスカンが「ロース」(400グラム600円)など3種。ソーセージは「行者ニンニク入りウインナー」(750円)など4種。中元・歳暮シーズンにはハム、ベーコン、スペアリブなども作る。
歯ごたえがありジューシーと評判のソーセージは、3日がかりで製造。1日目は脂身や血を取り除き、2日目は粗びきにする。3日目には香辛料を混ぜた肉を腸詰めし、燻煙くんえん・ボイル後、真空包装する。ジンギスカンのタレ作りや漬け込みはこの合間に行う。
2017年度の売り上げは850万円(ソーセージ1903袋、ジンギスカン2807袋)で、利用者の月額工賃は平均1万4600円。町の祭りで800本のソーセージが売れたり、16年度からふるさと納税の返礼品に採用されたり、町を代表する製品として認められるようになった。
課題は35年の歴史を守り続けること。「食品加工に従事する利用者は10人。みんな職人のプライドを持って仕事しているが、高齢化が進んでいる。製品の味や生産量も保たないといけない。働き方と生産性をしっかり両立させたい」と小菅施設長は話している。
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