鍼灸のパイオニア杉山和一記念館へどうぞ 貴重な文献、治療所も併設(東京)

2018年0711 福祉新聞編集部
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展示品を見る長崎から来た人たち

 視覚障害者教育のパイオニアといわれる江戸時代のハリ師・杉山検校(1610~94)。ゆかりの資料を集めた杉山和一記念館(東京都墨田区千歳1)ができて2年、鍼灸マッサージ師を志す学生らが足を運んでいる。

 

 記念館は和一生誕400年を機に、公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会(和久田哲司理事長)が〝平成の鍼治講習所〟として企画し、2016年4月できた。2階建て。江島杉山神社(田部裕子宮司)の一角にあり、江戸期以降の文献約400冊や経穴人形(鍼灸のツボ、経絡=全身の気血がめぐるところ=を示す人体模型)、円鍼といった「刺さないハリ」など道具類約40点を保存・展示。鍼灸マッサージの「杉山鍼按治療所」も併設している。

 

 3年に1度の同神社本祭りが行われた先月17日。長崎市から来た鍼灸専門学校1年の女性(19)は、「前から記念館について聞いており、管鍼法の歴史を知りたくて」と資料に目をこらしていた。また、資料室と同じフロアにある治療所で鍼灸師の太田耕奨主任(38)の経絡治療の手技を見学。「次は白衣持参で実習にどうぞ」と声を掛けられ、喜んでいた。

 

 法人の鹿浜秋信・常務理事(80)は「ヨーロッパで盲人教育が始まったのは18世紀。それより100年ほど早く和一は鍼治講習所を開いている」と先見性を強調した。田部宮司は「鍼灸の国家試験前に、受験生が合格祈願のお守りを求めに来る」という。

 

 治療所は全盲、弱視、晴眼の計13人が当番制で施術し、金曜日休み。

 

 

すぎやま・わいち=伊勢(いまの三重県津市)の武家生まれ。幼いころ失明(全盲)、江戸でハリ術を学ぶ。上達せず、江の島・弁財天(神奈川県藤沢市)の岩屋で断食修業中、つまずいて倒れた。その拍子に筒状のものに包まれた松葉をつかみ、「管鍼術」(管に入れた細いハリ)を思いつく。「杉山流」を創始、江戸で開業し、1682(天和2)年、「鍼治講習所」をつくり、第5代将軍・徳川綱吉の病を治した。この功績で現在地の旧・本所一つ目(墨田区千歳)に屋敷をもらい、江の島・弁財天の分社として江島杉山神社の創建も許された。関東総検校(盲人の職業を守る組織の最高官位)。

 

 

 

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