<西日本豪雨>DWAT始動 社会福祉法人の対応は

2018年0723 福祉新聞編集部
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支援活動予定を確認する県内以外の医療・保健・福祉チーム(17日、岡山県倉敷市保健所で)

 西日本豪雨の被災地である岡山県では福祉関係者の懸命な支援活動が続いている。「岡山DWAT」も初めての支援活動を展開。チームの陣頭指揮を執る、岡山県社会福祉法人経営者協議会の財前民男会長(社会福祉法人クムレ理事長)に17日、支援活動の様子などを聞いた。「現場での福祉ニーズが高い。医療や保健からも必要とされている」と活動の手応えを強調した上で、今後、長期化が予想される避難生活での福祉支援体制を一層強化していく考えを示した。

 

 

財前民男・クムレ理事長

 

 

--大災害とは無縁のイメージがある岡山県で起きた大水害だった。

 

 岡山は一番災害が少ない県だと言われる中で準備はしてきたが、自分の所は大丈夫だ、という思いが県内にあったのではないか。今後は危機意識が芽生えてくると思う。

 

 

 

--岡山県内の社会福祉法人の防災対策は万全だったか。

 

 災害時の福祉避難所に指定されている施設は備蓄を持っている。熊本地震発災直後、九州で物資の調達ができなくなったため、岡山から送ってほしいということで、岡山県下の社会福祉法人の備蓄を寄せ集め、送り出した。備蓄の体制は取れていたと思う。

 

 ただ、物だけの話になってしまう。それから先のマンパワーの養成や受援力(災害時に支援を受け入れる・対応する力)の強化などに取り組む必要がある。

 

 

 

--福祉法人間の救助連携はうまく機能しているか。

 

 被災した100人規模の特別養護老人ホームから正式に要請があって3、4日で100人を県内の複数の施設で受け入れ、生活ができるようになった。これはすごかった。一方、受け入れた施設側の職員の疲弊や被災した施設の経営の問題なども見えてきている。

 

 

 

--避難所になっている倉敷市立岡田小学校で岡山DWATが初の支援活動を展開している。

 

 クーラーを設置する前、認知症の高齢者の状態が悪くなり、保健師が慌ててDWATの所に走って来て、「認知症の人が暴れているので、ちょっと来てください」ということで、メンバーが直接的な支援に当たった。

 

 保健師でも対応できない、医師の仕事とも違う、我々ならではの仕事がやっぱりあって、福祉的なニーズは非常に高い。DMAT(災害派遣医療チーム)も保健師も、我々を本当に必要としているのだということが改めて分かった。

 

 

 

--避難生活が長期化している。今後の岡山DWATの活動に変化はあるか。

 

 今後は、生活困窮や住まいの問題など生活再建に関する問題が大きくなってくる。岡山DWATはずっと継続できるようなチーム構成ではないが、日常に近い生活への橋渡し役として、現在の1次避難所から2次避難所、地域、福祉サービスへつないでいくことも、DWATの仕事になってくると思う。

 

 

 

--今後の災害対策の展望は。

 

 DWATの体制が全国規模で整うよう厚労省と連携して啓蒙していくことが一番重要だと考えている。県レベルでは、縦割りではなくオール岡山でいろいろな種別も一緒になって、岡山DWATのマンパワーを育成していきたい。まずは県内でしっかりとした支援体制をつくることが大事。県外で災害が起こっても、スムーズにとんで行けるような体制を目指す。

 

 

 

 ◆DWAT(Disaster Welfare  Assistance Team)=東日本大震災後に岩手県や京都府などで設置され、福祉新聞の調べでは27道府県で設置された。都道府県単位で全国に設置を進めたい厚生労働省が地方自治法に基づく技術的助言として今年5月にガイドラインを出した矢先だった。

 

 

 

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